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〇革新による付加価値額の増加
新しい技術や素材にもたらされる革新が分かりやすいが、革新的なビジネスモデルの開発もこれにあたる。
日本企業の場合、前述の通り「コスト削減」、つまり「改善による投入資源の削減」ばかりに目がいってしまいがちだが実際には方法は多様だ。また、製造部門以外の部門の生産性向上も大事になる。
伊賀氏はこの生産性の問題について次のように述べている。
――非製造部門を含めた組織全体の生産性の向上は、企業(ひいては産業全体や国全体)が生み出せる付加価値の大きさを規定し、それぞれの競争力の影響を与える重要な経営課題のひとつです。
(『生産性』p45より引用)
経営層が生産性向上を課題として取り組むことができなければ、その企業は時代遅れになってしまうということなのだろう。
■個人の生産性を上げるために
また、本書は組織としての話だけではなく、個々人の生産性向上の考え方についても触れられている。
例えば労働量については、「長く時間をかければ良い仕事ができる」「できるまで頑張る」「とにかく最後までやって頑張る」という信仰があるが、実際はそういうわけでもない。
ただ、この考え方は精神的な高揚感を伴うために慣れてしまうことがあり、「よい仕事はできたが、たいして儲かっていない」「よい仕事はできたが、組織も疲弊してしまった」ということがよく起こりがちになると伊賀氏は指摘する。
どのようにすれば個人が短い時間で高い成果を出せるようになるのか。組織づくりには、そうした観点も必要なのだ。
伊賀氏は、『成長とは「生産性が上がる」こと』と述べる。
組織の成長、自分自身の成長。新しい年に向かう前に見直しておきたいことが書かれている一冊である。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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