著者によれば、このステップの中で特に重要なのは「物件選び」だという。
関係局への申請や民泊仲介サイトに登録後の運営は、全体の流れさえ把握できれば、あとはやればやるだけ慣れていく。 しかし、物件の良し悪しは集客に直結するだけにリサーチが欠かせない。
ポイントになるのは、
・「自宅や職場から離れすぎておらず、管理しやすい場所かどうか」
・「観光地の近くや、観光地にアクセスしやすい駅が近いかどうか」
この二つだ。
最初は物件数も一つか二つに絞り、管理や運営に慣れて行くことも大切だ。「このビジネスで稼ぐぞ!」と意気込みすぎて、一気にたくさんの物件を回そうとするとリスクも高まるので気をつけよう。
■外国人観光客の対応に英語スキルは必須?
民泊のターゲットは、日本人よりもむしろ外国人観光客がメインだ。そうなると、「英語が全くできないから、自分には無理そうだ……」と始める前からあきらめてしまう人もいるだろう。
実際、運営をする上では、仲介サイトに英語や韓国語、中国語などで紹介文を書いたり、宿泊客との個別対応にも英語などのスキルが必要になったりする場面はあるという。
しかし、現在はその不安をカバーできる便利なツールがある。外国語の翻訳ツールだ。
昨今では、英語のみならず、アジア、ヨーロッパ、イスラム圏の言葉まで翻訳できるサービスがネット上にある。もちろん翻訳サービスも完璧ではないが、英語が得意な友人などに翻訳したテキストを見てもらえば問題はないという。
著者自身も、元々英語は苦手だったが始めた当初は翻訳ツールを大いに活用していたという。
「素人の自分に、ビジネスなんてできるだろうか?」と思う人もいるだろう。しかし、本書では、本職の傍らで民泊ビジネスを手掛けながら1年余りで稼げるようになった人の話や、特別なスキルがないまま始めてもビジネスを軌道に乗せた人の話も紹介されている。
著者も、本書の最後に「実践することが大切」と述べている。理想とする人生やライフスタイルを現実のものにするには、何よりも「実践」が必要なのだ。
本書を読んだら、まずは最初のステップである「申請に必要な書類」を役所に取りに行く、ということだけでもやってみてはどうだろうか?
その一歩が、人生の大きな転機になるかもしれない。(ライター:大村 佑介)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。