「普通のサラリーマンでもできる」ということから、人気の高い「不動産投資」。確かにすぐに乗り出すことは可能だが、知識ゼロ、準備ゼロで成功できるものではない。
これから不動産投資を始めたい人や、なかなか上手くいかない人に向けて、手堅く成功するための方法が書かれた『“自己資金ゼロ”からキャッシュフロー1000万円をつくる不動産投資!』(ごま書房新社刊)の著者である椙田拓也さんは、もともと株式投資を行っていたものの、リーマンショックを経て株に不安を感じ、不動産投資に鞍替え。
現在は14棟102室を保有しながら、アドバイザーとして融資のサポートや勉強会などを行っているという。
そんな椙田さんに、これから不動産投資を始めたいと思っている人に向けて、その始め方やノウハウをご自身の経験を踏まえながら語っていただいた。インタビュー後編では、不動産投資で成功するための情報収集法やマインドなど、実践的な内容について深堀りしていく。
(新刊JP編集部)
――不動産投資を成功する上で必要な情報はなんでしょうか。
椙田:これはステージによって異なると思います。基本的に投資やビジネスではいかに低位で買えるか? が必要とされますが、不動産投資に関してはただ単に安く買うだけではいけなくて、特に最初のステージにおいては、いかに「良いもの(=収益のしっかり出せる物件)」を安く買うことができるか? が重要です。
素人が「安く買う」ことだけにフォーカスすると悪い物件を掴まされてしまうのがオチです。そのためにも信頼できる取引先を確保することが重要ですが、それらは分母となる圧倒的な行動量からしか生まれないと思いますね。
――信頼できる取引先を探すために、情報をどのように仕入れていますか?
椙田:基本的には「楽待」や「健美家」といった不動産投資のポータルサイトを見ていますが、私の場合は物件そのものではなく、どのような不動産会社があるのかという視点を持って見ています。もし、新しい不動産会社が出てきたら問い合わせを入れて、という接点作りのために利用していますね。
――不動産会社に悪い物件をつかまされてしまう人はどんな特徴がありますか?
椙田:例えば利回りばかりを追い求めている人でしょうか。もちろん、そういう物件もあるのですが、裏に何かあると考えた方がいいでしょう。
本書のコラムでも書きましたが、5棟目に購入した「空室率70%の問題児アパート」は、利回り24%と高利回りだったので「多少のことがあっても大丈夫」という気持ちで買ったら、どんどん入居者が少なくなっていきました。
――ニュースでは日本の不動産への投資が回復基調にあると報じられています。やはり迷っている人にとっては、今が不動産投資に乗り出すチャンスなのでしょうか。
椙田:いまは都心部を中心として不動産価格が上がっています。投資額に対するリターンの率を示す「利回り」はその分低下しているため、投資するタイミングをはかっている人は多いと思います。しかし一方で、融資の面ではこれほどまでに低い金利で不動産投資に対して貸し付けしてもらえる時期はこれまでにありませんでした。そういう意味では、このタイミングがチャンスだと思います。
問題は、ダメな物件を高つかみすることで、ある程度見極めが重要です。かと言って、先ほど述べたように利回り重視だけで購入すると、買ったあとに入居が埋まらない、もしくは埋めるためには莫大なリフォーム費用がかかる……などといった物件を買ってしまうおそれもあり注意が必要です。