仕事のスピードアップには記憶方法を見直すべし
「働き方改革」を進めようという風潮のなか、短い時間で多くの成果を出すことが我々ビジネスパーソンに求められています。そのためには新しいスキルや知識をスピーディーに身につけなければなりません。しかし、新しいことはなかなか覚えられないし、覚えたと思ってもすぐに忘れてしまうものです。それを年齢のせいにしている人もいるかもしれません。そこで今回は記憶力についてお話をします。
突然ですが質問です。
10フィートとは何メートルでしょうか?
答えは、およそ3メートルです。正確には、1フィートは30.48センチメートルですから、3メートルと4.8センチメートルとなります。1フィートの長さは、皆さんが学校に通っている間のどこかで習ったはずですが、忘れてしまったという方が多いと思います。メートル法が基本の日本ではほとんど使われませんから、それも当然だと思います。
一方で、仕事や日常生活でフィートを使わない人のなかにも、30.48センチというほど正確でなくとも、30センチくらいという感じで長さを覚えている人がいます。そのなかには、ありとあらゆることを自然に記憶してしまうという、特殊な才能を持っている人もいますが、それ以外の人は、物事を上手に覚える技術を持っているものです。ちなみに、私自身はもともと記憶力がよいとは思いませんが、覚えるべきことを覚えるのは比較的得意なほうだと思っています。
ものを覚えるにはいろんなアプローチがありますが、たとえば私でしたら、次のように記憶します。
まずフィートの語源を調べます。すると、英語で足を表すフット(foot)の複数形であることがわかります。フットは足だと言いましたが、英語のレッグ(leg)も日本語では読み方は「あし」、漢字では「脚」です。その違いを知るために、フットが足のどの部位を指すのかを調べると、足首より下にある部分を指すことがわかります。そして足のつま先からかかとまでの長さが、1フット、というわけです。
ここまでわかればフィートは英語のフットの複数形であり、1フットはだいたい足のかかとからつま先までの長さである、というイメージをもって記憶することができます。私がこのように丁寧に調べるのは、純粋に知らないことをより深く、正しく理解したいという動機からです。しかし結果としてよく覚えられますし、必要な時に記憶から取り出しやすくなるというわけです。