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山崎将志「AIとノー残業時代の働き方」

実は記憶力の良い人がやっている記憶術…成績優秀な学生は丸暗記をしない

文=山崎将志/ビジネスコンサルタント

 もちろん、忘れてしまうこともあります。たとえば30.48センチという数字はすぐに忘れてしまいます。それに靴のサイズが30センチという人はなかなかいないでしょうから、自分の足のサイズを頼りに数字を思い出すのも、簡単ではないでしょう。しかし少なくとも1フットは足の大きさであるということを理解していれば、1ミリとか、1メートルなどのように大きく間違うことはないはずです。

 ほかにも、1ポンドが何グラムかなど、いろんな長さ、量、重さの単位があります。これを度量衡と言いますが、度量衡以外にも英単語や歴史の年号など、昔は覚えたけど忘れてしまった知識はたくさんあるはずです。

 そのような知識というのは往々にして、覚えるのが大変だったはずです。そして、なぜ覚えるのが大変だったかといえば、丸暗記をしようとしたからではないでしょうか。

丸暗記ほど非効率な覚え方はない

 実は丸暗記ほど効率の悪い覚え方はありません。ときどき単語帳や歴史年表で、英単語や年号を覚えようとしている学生を見かけますが、ずいぶん効率の悪いことをしているなと感じます。少なくとも私の知る限り、そのような勉強方法で優秀な成績を取っている学生はいません。優秀な学生が単語帳や歴史年表を使うとすれば、覚えられたかどうか、穴がないかを確認する目的であり、それ自体で覚えようとはしていないのです。

 ここで記憶というものについて整理しておきましょう。

 認知心理学の研究によれば、記憶には、大きく分けて短期記憶と長期記憶があるとされています。

 短期記憶とは頭の中に保管されている期間が短い記憶のことです。我々がとりあえず必要と感じたこと、興味を持ったことは短期記憶に保存されます。短期記憶の保存期間は20秒~1分程度といわれています。また、一度に記憶できる情報の単位は7個前後といわれています。電話を掛けるために番号を覚えるときのことをイメージしてもらうと、わかりやすいと思います。ほとんどの人は発信ボタンを押した瞬間に忘れてしまうでしょうし、場合によっては3桁とか4桁ずつでないと覚えられないときもあるでしょう。我々は意味のない文字や数字の羅列を記憶するのは本当に苦手です。

山崎将志/ビジネスコンサルタント

山崎将志/ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタント。1971年愛知県生まれ。1994年東京大学経済学部経営学科卒業。同年アクセンチュア入社。2003年独立。コンサルティング事業と並行して、数社のベンチャー事業開発・運営に携わる。主な著書に『残念な人の思考法』『残念な人の仕事の習慣』『社長のテスト』などがあり、累計発行部数は100万部を超える。

2016年よりNHKラジオ第2『ラジオ仕事学のすすめ』講師を務める。


最新刊は『儲かる仕組みの思考法』(日本実業出版社)

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