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元ANAトップCAが語る、クレーム対応の極意と、成果を生む組織マネジメント&仕事術

 また一方で、自分だけの時間を大事にすること。私などは、一歩外に出れば人様に見られる仕事です。みなさんからマナーなども期待される立場。でも家の中では好きなように振る舞える。好きなものを身につけられる。そうやって思いきり自分だけの時間を楽しむこと。そうすることで、またセンスが磨かれていきますから。

●人生に対する考え方

–里岡さんは、41歳の時に乳がんに罹られたのですよね。それも人生への考え方や価値観、生き方を見直すような転機でもあったのでしょうか?

里岡 がんをはじめ、大病を患った時って「なんで自分が」と思われる方が多いそうです。ですが、私は乳がんが判明した時に、まったくそうは思わなかったんですよね。これまでの人生でも、まったくそういった思いに至ったことはありません。「なんで私が」そんな思いに駆られてみたところで、いったい何が生まれるでしょうか。いまどき珍しい病気でもありませんし、まぁちょっと早くないか? とは思いましたけれど(笑)、いきなり死ぬこともありませんからね。

 友人にも言われたんです。彼女は心臓の手術をしたんですが、「あなたは死ぬまでの時間があるからいいじゃない。心臓発作なんて気付いたら死んでるのよ(笑)。あなたは死ぬまで準備ができるんだから」って。

–当人としては、とても苦しい時でしょうが、前進あるのみなのですね。

里岡 ただがんのような病気になってしまうと、本人よりも親が苦しみますよね。その姿がまた苦しい。「そんな体に生んでしまってごめんね」なんて言われてしまって、そんなこと一切思っていないのに……。私の場合、生活習慣病のようなものだったと思いました。

 だから、術後ドクターから「もう心配ありません。今までと同じ生活を送って大丈夫ですよ」と言われたんですが、私はまた同じ生活なんてしていたら、またきっとがんになってしまうと思ったんです。ただでさえ一度罹患して、ハイリスクなわけですしね。ですから、以来、自分の生活をがらっと変えました。もうすぐにです。

「いつか」は自分で決めない限り、永久に訪れないもの。もしいつか自分がこれくらい成功したら、その時にはあれをやろう、なんて考えていたって、「もうそろそろいいのでは? あなた成功していますよ」なんて誰も言ってくれませんからね。

 ですから「今を生きる」こと。未来なんてあるかどうかわかりません。ましてや過去を生きるなんて愚の骨頂。今の積み重ねが人生なのですからエンジョイしなくてどうするというんでしょう。今が楽しければ、過去も未来も楽しい。逆に今満足していなければ、過去も未来も満足できるものにはならないはず。「今を生きる」ことに集中することですね。

–最後に、読者へ向けてメッセージをお願いいたします。

里岡 日本人男性には、もっとチャーミングな男性になってほしいですね。チャーミングさというのは、気の利いたジョークですとか、ウィットに富んだユーモア、それから笑顔や、心の余裕といったものですとか。残念ながら、それらが感じられる方が少ないのです。そのためには、もっと人生を楽しんでほしいと思います。内向きではなくアクティブに楽しむことで、体も精神もつくられていきますから。

 今は、女性のほうがよくチャレンジしているように思いますね。失恋も、女性のほうがたくさんしているんじゃないかな。男性は自分から「好き」とも言わないから、失恋もしない。このままだと、日本人女性は外国人男性にみんな持っていかれちゃいますよ(笑)。彼らはシンプルでわかりやすいですから。

 若手ビジネスパーソンの男性たちって、言葉の出し惜しみをしすぎだと思うんですよね。「思ったことは、はっきり言いなさい」って、私なんかは思っちゃう(笑)。経験値がないから、努力して何かを勝ち得たという経験と、それに伴う自信というものに欠けるのでしょうか。失敗という体験だって大事なものですから、いいんですよ。

 恋愛において無駄なことってないけれど、もじもじとしている草食系男子などを見ていると、それでもやはり無駄なことは要らないと思ってしまいますね(笑)。ああだこうだと理屈をこねる前に、まず感情を出そうよって。多くの男性に、最近はそういった傾向が見られるんですが、たまに集中してモテる男性っていますよね。彼らは一様にチャーミングなんですよ。その点だけがもったいなく思えてしまうので、読者のみなさんには、ぜひともチャーミングな男性を目指してほしいですね。
(構成=大川内麻里)

プロフィール
●里岡美津奈(さとおか・みつな)
24年間に渡り、ANA国内線、国際線のチーフパーサーとして、またそのうちの15年間は天皇皇后両陛下、英国元首相マーガレット・サッチャーをはじめとする、各国の国家元首のVIP特別機の担当として活躍。2010年のANA退職後は、それまでの経験を生かし、企業や病院で人財育成のコンサルタントとして「コミュニケーションの素晴らしい世界」を提案。また個人のクライアント向けに“パーソナルクオリティーコンサルタント”として個人の持つ能力、魅力をさまざまな分野において遺憾なく発揮できる人財育成を行っている。

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BusinessJournal編集部

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