人気ブラック企業アナリストが、ダメ社員を抜け出した方法とは?
それより、むしろ自分が腹を割って話せる人たちとの時間を大切にしたほうが、時間が有効に使えると気がつきました。いろんな人にいい顔して、薄い付き合いを続けるよりは、断ることは断って、狭く深い関係を築いたほうが、ビジネスとしても可能性が広がるのではないでしょうか。
周囲にギブしまくる
――有益な人脈を築くために、必要ことはなんでしょうか?
新田 私の場合は、「とにかくギブしまくる」ことです。見返りを求めずにギブすること。そういうことをしていく中で、ギブしたことに恩義を感じてくれた方が、自分にチャンスを与えてくれたりします。
もうひとつは、自分がやりたいことを常に人に話したり文字にして、オープンにすることです。「本を書きたい」「テレビに出たい」「自分のお店を持ちたい」など、やりたいことをオープンにするのです。私は、そうやって夢をかなえてきました。日本人は以心伝心という考え方が好きで、他人が自分の気持ちを察してくれると思いがちですが、現実にはそうはいかないものです。
――今回お話しされたことも含め、本書には「デキる社員」になるための50個のノウハウが書かれていますが、これらは新田さんがご自身で確立されていったのでしょうか?
新田 テクニックというよりは、習慣や心構え、仕事に対する姿勢です。テクニックやスキルとなると、持っていない人にとっては、自分には難しいと感じてしまう。習慣や心構えであれば、自分の中でルールを決めてしまえばいい。そうして地道に習慣付けしていくことで、それが当たり前になっていきます。時間はかかりますが、着実にやっていけることだと思います。
――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
新田 もし自分がダメ社員だと思っているならば、本書の目次を一読すれば、「もしかして自分はデキる社員じゃないのか」と、自信を持てると思います。各章読み切りですので、目次を読んで自分のことだなと思うところから読んでほしいですね。本書に書いてあることは、頭ではわかっていることばかりだと思います。しかし、頭ではわかっていることでも、実践できていない人も多い。本書に書いた50の習慣を今日から実践すれば、2カ月でデキる社員になれるでしょう。
(構成=本多カツヒロ)
●新田 龍(にった・りょう):株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、「ブラック企業ランキング」ワースト企業2社で事業企画、人事戦略、採用コンサルティング、キャリア支援に従事。現在はブラック企業や労働問題に関するコメンテーター、講演、執筆を展開。首都圏各大学でもキャリア正課講座を担当。