地道な広報活動が実り、ついに自社がドラマのロケに!
さらに、雑誌「モノ・マガジン」(ワールドフォトプレス/08年6月号)に特集(1P)されたのに加え、工場がフジテレビ系ドラマ『モンスターペアレント』のロケ地に選ばれ、なんと女優の米倉涼子が来社し、エンドロールに社名が出たのだった。
読者はなぜ、国立市の小さな企業がテレビロケ地に選ばれ、著名女優まで来てくれたのか、不思議であろう。その理由は、ただ地道な広報活動を続けたからにほかならない。
1.継続的にプレスリリースを行う
2.個別に記者へ積極的にコンタクトする
3.ウェブを利用する
4.おしぼり業界で初となるウェブマンガ『おしぼり人間ドビィーくん』を発信する
こうした何年にもわたる藤波さんとそのスタッフの地道な努力が実り、梅や桜の蕾状態から一挙に開花したのである。
「R25」への掲載をきかっけに、おしぼりマンガへのアクセスが一気に増加
→自社工場の模様が世間に広がる
→ちょうどドラマ撮影で使う工場を探していたテレビ局の目に留まる。
という、好循環が生まれたのだ。「ローマは1日にして成らず」は太古の昔からの教訓だが、PR活動も同じだ。トップ主導による1日1日の地道なPR活動が、いつしか開花するのである。
最近では、おしぼりだけでなく、業務用資材という広いカテゴリーで、飲食店向けの食器、厨房用品、レジ用品、清掃用品からユニフォームまでを取り扱う、ネット通販サイト「e-shizai」を開始。その情報が日経流通新聞に「5段抜き」で掲載され、大きな反響を得た結果、問い合わせも相次ぎ、ユーザ増と売上増につながった。その後も同紙には「おしぼり冷温庫」「抗ウイルスおしぼり」といった、同社に関する最新情報が相次いで掲載されている。
掲載された中でも「e-shizai」のフランチャイズ展開では、フランチャイズ契約をした競合他社に同サイトで扱う自社製品とノウハウを提供し、それまでカバーしていなかった販売にまで進出している。すでに関東・近畿エリアで計11社が加盟し、好調なため、数年以内には全国40社の加盟を目指している。
藤波さんは「今後も、会社の活動や新商品に関しては、”おもてなしの伝道師”として積極的にプレスリリースを配信し、PRに力を入れて、業績アップに貢献します」と熱く語る。お金をかけなくても、知恵と手間ひまをかけた地道な広報活動により、会社の知名度アップと売上アップを達成できることを証明した、最善のケースといえるだろう。
<PR活動のポイント>
「一貫して、小事も、地道に、日々継続、人望備え動く達人!」
「感性を、日々研ぎ澄まし高めよう、自分自身のブランド価値を!」
(文=山見博康/広報PR・危機対応コンサルタント)