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なぜ、こんな仕組みになっているのかというと、ノックイン型には一種のオプション取引が組み込まれているからだ。仕組み預金の購入者は、日経平均連動型ならプットオプション(一定の期日に一定の価格で債券や株式を売る権利)を金融機関に売っているのである。こういわれて即座に理解できる人は、少ないだろう。とにかくハイリスクな商品だといえる。それなのに、こんな難しい仕組みの商品を、銀行の窓口で簡単に説明するだけで売っているのだ。
例えば、日経平均の都合のいい時期のチャートを見せて、「ここまで下がると、元本の保証はなくなります。でも、ここまで下がると思いますか?」と尋ねる。顧客が「まあ、ここまでは下がらないでしょうね」といえば、それで話を進めてしまうといった具合である。
とはいえ、リーマンショックや東日本大震災など、日経平均が5割、6割と下がることが何度もあった。目先の金利に目を奪われずに、リスクをしっかり理解することが大事なのである。
実際、内容をしっかり把握している人は、仕組み預金には手を出さないともいう。
理解できないものに首を突っ込むと、あとで痛い目を見ることになるということだ。
(文=長尾義弘/フィナンシャル・プランナー)
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