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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第5回

正露丸は無意味で時代遅れ、ただの殺菌剤?正しい胃腸薬の選び方

文=へるどくたークラレ
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正露丸は無意味で時代遅れ、ただの殺菌剤?正しい胃腸薬の選び方の画像1「Thinkstock」より

 オイッス! 忘年会シーズンですねぇ 暴飲暴食してませんかぁ?

 食べ過ぎ飲み過ぎ……と、胃腸に厳しい季節になってまいりました。風邪薬と同様に、雰囲気でなんとなく買っている人が多いと思われる胃腸薬ですが、前回、風邪薬はぶっちゃけなんでも良いという結論で、ぼったくりをつかまされる以外は取り立ててハズレもないのですが、胃腸薬は別です。胃腸薬の選び方ひとつで、あれよあれよとお腹を壊し、慢性的なポンポンペインに悩まされるはめになるやもしれないのです。

 それゆに胃腸薬の性質を最低限理解した上で、「うへー食べ過ぎたー」とか「胃がキモチワルイ」とかの状況に応じて薬を選んでいかないと、大変なことになりますぉおおおおおお……とひとしきり脅したところで本題に入ります。

●胃腸薬の成分分類は簡単

 胃腸薬は薬局方では細かく別れていますが、使用目的には大きく分けてだいたい4つです。

・胃酸を中和し、お腹の不快感を取るという中和剤的な漢方ベースのもの
(パンシロンやキャベジン、太田胃散、アバロンなど)

・胃粘膜を保護するもの
(セルベール、スクラートなど)

・胃酸の分泌を抑える
(ガスター10、アシノン、アバロンZ、など)

・消化吸収をサポートする消化酵素や乳酸菌剤
(第一三共胃腸プラス、タカジア錠、ビオフェルミン、ザ・ガードなど)

 なんだ、正露丸が入ってないじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、正露丸は極めて古い薬で、結構強力な殺菌剤。もともと食品が衛生的でなかった時代に、食べ物を消毒しながら食べるといったようなニュアンスで使われていた薬で、現在の審査には通らないレベルの薬です。さすがに性能的に、あらゆる薬に及ばないので、もはや飲むまでもない時代遅れの薬と言えます。

 なので、現代を代表するクスリという点での胃腸薬を選びましょう!

●就寝前と食間に飲むべきクスリ

 使い方に注意が必要なのが、胃粘膜を保護する薬と、胃酸の分泌を抑える薬です。これらは薬局薬の中ではトップクラスの万能選手なのですが、それ故使い方を間違うと、いらぬ病気を引き起こすきっかけにもなります。

 特に「ガスター10」(第一三共ヘルスケア)などの強力なヒスタミンH2ブロッカー(通称H2ブロッカー)は、胃酸の分泌をけっこう強力に止めてしまうので、潰瘍や炎症が起きている場合には効果のある薬ですが、あくまで胃が満タンでないときに飲む薬。いわゆる就寝前や食間(食事中ではなく食事と食事の間、食後2〜3時間に飲めという意味)に飲んで胃の再生を助けるものです。

へるどくたークラレ

へるどくたークラレ

覆面の不良科学屋。添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、『アリエナイ理科ノ教科書』の著者、SFやミステリーの設定やトリックの監修も務める。こっそり大学でも教養課程で科学を教えていたりする。過去の連載をまとめた『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』は好評発売中。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。

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