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長崎が世界的観光地になる?豊富な観光資源、軍艦島&教会群が世界遺産登録濃厚に

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軍艦島の全景(撮影=酒井透)
 ゴールデンウィークまっただ中の5月4日、ビッグニュースが飛び込んできた。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)が、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域(以下、産業革命遺産)」について、世界文化遺産に登録するよう勧告したのだ。

 6月から7月にかけてドイツで行われる世界遺産委員会の審査で正式に登録が決まれば、日本の世界文化遺産としては15件目となる(世界自然遺産は白神山地など4件)。

 8県・23施設にわたる産業革命遺産の中で、最も注目を集めそうなのが、そのうち8カ所が集中する長崎だ。坂本龍馬やイギリス商人のトーマス・グラバーらが活躍した幕末から明治にかけて、歴史の舞台になった長崎には、価値のある建造物や施設が多く残っている。三菱長崎造船所関連施設、旧グラバー住宅、端島炭鉱などだ。

 特に、ここ数年人気を集めているのが、「軍艦島」の愛称で知られる端島の端島炭鉱である。長崎港から船で40分ほどの距離にある端島は、島の形が「戦艦土佐」に似ているため、大正時代から軍艦島と呼ばれるようになった。

 端島炭鉱は、明治から昭和にかけて栄えた海底炭鉱で、島には鉄筋コンクリートの高層住宅が立ち並び、1960年代の全盛期には人口5151人を数えた。派出所、郵便局、小中学校、映画館、パチンコ、スナックなどの都市機能を備えた端島では、朝鮮人や中国人の労働者も働いていた。

 しかし、石炭需要の減少により、74年に閉山されて無人島となる。その後は廃墟となってしまうが、2009年に長崎市が島内の一部エリア限定で観光客の上陸・見学を認めた。その後、上陸者数は年間5万9000人から、14年には18万4000人に急増した。

 ただ、老朽化が進む軍艦島の保全対策には、最大150億円ともいわれる巨額費用が必要となる上、「戦時中に朝鮮人労働者が徴用された」と主張する韓国の猛反発もある。8カ所の世界遺産施設を抱え、新たな観光需要が見込める長崎市だが、手放しで喜んでばかりはいられないのが現状だ。

来年には「長崎の教会群」が世界遺産登録の可能性も


 しかしながら、長崎には追い風が吹いている。16年には、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産(以下、長崎の教会群)」が世界文化遺産に登録される可能性があるのだ。

「世界遺産登録をめぐっては、13年の段階で産業革命遺産と長崎の教会群が国内で候補になっていましたが、政府は前者を優先して推薦しました。そして、今年1月、政府は長崎の教会群を16年の登録候補として、ユネスコに正式に推薦書を送りました。9月頃にイコモスが現地調査を行い、来年4月末から5月上旬にかけて、登録の可否をユネスコが審議することになっています」(経済ジャーナリスト)