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7月8日には、株価暴落の抑制策として、上場株式の半数以上が売買停止になった。売買されない限りは株価が決まらないため、損失が出ないという目論見だったが、これも株価下落を抑えきれなかった。
そして、8月11~13日に人民元の対ドル切り下げを行い、同月18日から再び実体経済の悪化懸念による株の暴落が起きている。この間、実に2カ月足らずだ。
株による利益は、消費に向かいやすい傾向がある。約13億人の人口を抱える中国は、内需が旺盛なことで知られるが、これはいわゆる“あぶく銭”を元手にしたものが大きかったといえる。しかし、その原資であった株による儲けがなくなったため、内需の減速が起きるのは当然といえるだろう。
内需の縮小と同時に、銀行の財務バランスも大きく崩される。不良債権などが大量に発生することにより、銀行の融資姿勢は貸し渋りや貸し剥がしをせざるを得ない方向に進む。そうなると、企業の倒産が相次いだりして、実体経済の悪化が顕著化するわけだ。中国の場合、この一連のプロセスが、通常より3倍程度も早いといえる。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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