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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

便利すぎて楽しい文房具を一挙紹介!常識を覆したヒットの秘密とは?

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

 本体の構造は簡単にいうと、シャープペンシルの先が芯の消耗に合わせて上へスライドするかたちとなっている。芯に合わせて先端が動くため、芯が出ることがなく、それによって折れることもない。今までの「シャープペンシルは芯を出して書く」という常識を打ち破り大人気商品となっている。折れない上に、今までは0.5ミリ、0.3ミリのシャープペンシルが主流だったので、その細さも驚きである。この画期的な構造だからこそ実現できたのであろう。その代わり、戸惑う人が多いのを気遣い、キャッチコピーや取扱説明もいろいろと工夫しているようだ。まさに潜在ニーズを解消した商品だといえる。

(3)フリクション

便利すぎて楽しい文房具を一挙紹介!常識を覆したヒットの秘密とは?の画像3

 もう社会人や学生にはお馴染みであろうフリクション。ボールペンは消せないという常識を打ち破り登場した。カラフルなペンを好む女性や、参考書などに書き込みをし、覚えたものから消していくなど工夫をして勉強している学生や社会人に大ヒット。少しインクの色が薄いという意見がしばしば聞こえるが、その声を抑えてでも爆発的に売れている。もしインクの濃さが通常のボールペンと同じくらいになったならば、よりユーザーの潜在ニーズをとらえた商品へと変わるかもしれない。

 フリクションはボールペンだけではなく蛍光ペンや色鉛筆、ひいてはスタンプまで「消せる」を売りにして商品を開発している。消せる筆ペン、なんて時代もくるかもしれない。年賀状を出すときに役に立ちそうである。

 「消せるシリーズ」はほぼフリクションの独壇場かと思われるが、ほかにも消せるマッキーなどがトレンドとして東急ハンズで挙げられていた。子供の頃はマッキーで教科書などに名前を書くときに一発本番で緊張したものだが、そんな時代は終わってしまったのかもしれない。

(4)鉛筆の蛍光マーカー

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 蛍光ペンは教科書などに引くときに裏写りしてしまうという弱点があるが、それを克服。蛍光マーカーと色鉛筆という異色のコラボを見せた商品。蛍光マーカーを引くとどうしても裏写りしてしまったり、紙がインクでふにゃふにゃになってしまっていた。企画書、教科書やノートの裏のページに写ってしまい見えにくくなってしまうのだ。

 その2つの大きな弱点を、色鉛筆を蛍光色にすることによって乗り越えたのである。見事な発想の転換だ。さらに色鉛筆にすることによって、インク切れの心配も解消されたのである。これも不満の解消を試みた商品だといえる。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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