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片山修「ずたぶくろ経営論」

自動運転車、圧巻の試乗体験…急な割り込みや歩行者に対応、車線変更や合流も

文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

多数のメーカーが注力

 三菱電機は、自動運転のコンセプトカー「EMIRAI3 xAUTO」を出展し、周辺監視技術、人工知能技術、高精度位置把握技術を用いた、リモコン式自動駐車、夜間対応自動ブレーキ、車線維持、車間通信合流支援など、技術の展開例を披露した。また、高度運転支援技術を紹介するコンセプトカー「EMIRAI3xDAS」では、3次元ヘッドアップディスプレイなどの表示装置、視線移動低減ヒューマンインターフェイスなどを紹介した。三菱電機専務執行役の大橋豊氏は、こう語った。

「三菱電機の自動車機器事業は、80年の歴史があります。高度な予防安全技術、自動運転、高度運転支援に向けて、より安全で安心なシステムを実現します」

 モーターショーにこそ出展しなかったが、パナソニックは車載事業の売上高を18年度に2兆1000億円とする目標を掲げている。

 例えば、強みのセンシング、画像処理技術を生かして、ADAS事業の強化を打ち出している。また、車の電子制御システムをサイバー攻撃から守る技術の開発にも着手している。車載情報端末の起動時に不審な動きを1秒以内に検知する技術で、ハッキング対策に有望といっていい。さらに、14年9月、スペインの自動車部品大手フィコサ・インターナショナルを買収したが、これは自動運転車に搭載する電子ミラーを共同開発するためである。

 ソニーは、自動運転技術の中核部品である画像センサーの生産に乗り出した。現在の一般的な車載用センサーとくらべて10倍の感度をもつ車載カメラ用センサーを開発、半導体子会社の熊本工場で15年後半から量産を開始する計画だ。

「将来の自動運転車の普及をにらみ、自動車分野を強化する」と、15年1月に開かれた米家電見本市「CES」で、ソニー社長の平井一夫氏は語っている。

開発立地の適地

 日本の自動運転技術が世界をリードする背景として、第二にあげなければいけないのは、日本が開発立地の適地であることだ。

 ご存じのように、日本の道路は交通量が多く、車と人が混在するなど道路環境が複雑だ。しかも、高齢社会を反映して、ドライバーも歩行者も高齢者が多い。実際、13年の内閣府の統計によると、日本における交通事故の死者は65歳以上の高齢者が年間2303人ともっとも多く、次いで50~59歳の420人、40~49歳の395人と続く。死者数のうち65歳以上の高齢者が占める割合は52.7%である。また、死者数は歩行中が1584人ともっとも多く、次いで自動車乗車中が1415人で、両者で全体の68.6%を占める。

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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