加工食品、特に和菓子や洋菓子の類を購入する際は、よくその商品の原材料表示を見てください。原材料を表示している欄に「ビタミンB2」「カロテン」と表示している場合があります。
ビタミンB2
ビタミンB2はレバー(肝)、卵、肉、魚、干しシイタケなどに含まれています。欠乏すると口内炎、口唇炎(口唇びらん)、舌炎、湿疹、発育障害、食欲不振などが起きます。
それゆえに適切な量のB2を摂取することは重要ですが、お菓子などにビタミンB2が添加されているからといって、喜んで買ってはいけません。「V・B2」「リボフラビン」などと表示されている場合もありますが、このビタミンB2は完全なる合成品です。
ビタミンB2は黄色系の着色料としてお菓子などによく使用されています。ドギツクなく自然な穏やかな黄色です。これは立派な合成着色料です。合成着色料として有名な黄色4号、黄色5号を使用する場合、「着色料(黄色4号)」などと表示する必要がありますが、最近の消費者は食品の安全性に関心が高いので、このような表示をしていたら買ってもらえません。
そこで、「着色料(ビタミンB2)」と表示してあれば、消費者は「不足しがちなビタミンB2が摂取でき健康に良い」と勘違いして売れるかもしれません。しかし、お菓子などに添加されているビタミンB2は合成添加物なので危険性があるのです。合成のビタミンB2を添加していても「栄養強化」という目的となっていれば表示義務はありません。
β-カロテン(β-カロチン)
β-カロテンはニンジンなどの植物に含まれている物質で、人体の中でビタミンAに変換されます。食品の原材料表示欄に「カロテノイド色素」「カロテン色素」「着色料(β-カロテン)」などと表示されています。黄色~橙色に着色し、麺類、飲料水、菓子類、マーガリンその他の食品に使用されています。
β-カロテンは化学合成で安く製造されており、食品の着色料として使用されております。立派な合成着色料なのです。「カロテノイド色素」という表示が許されているので、消費者はこれが合成着色料だとは気がつきません。むしろ健康に良いと勘違いして購入するかもしれません。つまり、黄色の合成着色料が「着色料」という表示をすることなく使用できるのです。添加物メーカーや食品会社などにとっては、非常に都合がよいのです。
B2にしろβ-カロテンにしろ実態は合成着色料です。騙されないでください。
(文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問)