NEW
平野雅章「FP相談1600件でわかった全体最適マネー術」

お金や保険の記事&専門家の話、なぜ信じてはいけない?自分には「よくない」ことも

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「Thinkstock」より
 あなたが家計やマネーの情報を得るのは、雑誌やウェブサイトが多いだろうか。この連載の第1回目は、そうしたメディアの記事やコラムとのつき合い方について考えてみたい。


 メディアで専門家として情報を発信している人には、大きく分けて「実務家」と「評論家」の2タイプがある。私が定義する「実務家」は、一般の消費者である顧客を持ち、実際にその分野の実務を行っている、「顧客に責任を持つ人」である。対して、「評論家」は執筆や講演などを業務の中心としている、「顧客に責任を持たない人」である。

 もちろん、評論家と名乗る人にも、顧客を持ち自ら実務を行う人もいるので、肩書の問題ではなく、中心となっている業務による分類である。

 雑誌やある程度の規模のウェブサイトのマネー記事やコラムは、評論家によって書かれたものが多い。それらは消費者にとってわかりやすく、役に立つものがほとんどである。だが、1,600件を超える有料相談を行ってきた実務家としての私の経験に当てはめると、そうしたマネー記事やコラムの内容はそのまま実行しないほうがよい場合も多い。

「会社の団体定期保険に入ればよい」は本当か


 1つ例を挙げてみよう。生命保険の記事やコラムでよく目にする内容の1つに、「会社に団体定期保険があれば、保険料が安いので民間の生命保険に入らず、それに入ったほうがよい」という意見がある。

 私は保険の見直し相談で、顧客が勤務しているさまざまな会社の団体定期保険の契約内容明細やパンフレットを読んで検討してきたが、結果として団体定期保険を利用した顧客は一握りでしかなく、多くの顧客は民間の生命保険を選択している。

 まず、民間の生命保険では、喫煙の有無と健康状態により異なる保険料の区分(リスク細分型保険料率)を設けている商品があり、特にたばこを吸わない人の保険料が非常に安く設定されている。団体定期保険ではこうした保険料の区分は採用されていない。

 また、子育て世代では年齢を重ねると将来の教育費負担なども減っていくため、万が一のときに必要な保障額は減っていくのが普通だ。団体定期保険で、現時点の必要な保障額に合わせた保障額で加入しても、年月が経つと徐々に過剰になっていく。対処として、毎年、保障の減額を行っていく方法があるが、なかなか大変だ。ところが、民間の生命保険の「収入保障保険」という種類は、年月の経過とともに保障額も減っていくため、無駄が生じにくい。保障額が減っていくことが織り込まれているため保険料も安い。