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日本、先進国で唯一「大学授業料バカ高く、奨学金不備」…有給休暇取れず、女性進出は中国以下

文=横山渉/ジャーナリスト
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 2008年のリーマンショックのとき、アイスランドで唯一生き残った銀行は女性経営者だったということだが、日本でも三菱自動車工業スズキ、シャープなど、不祥事を起こしたり経営悪化が深刻な企業は、体質的に男社会のところばかりではないだろうか。アメリカではいよいよ女性大統領が誕生する可能性も高まっているが、日本では女性首相が出てくる雰囲気はまったくない。そもそも国のトップが「女性が輝く社会」とスローガンをぶち上げなければいけない状況は、アメリカよりもかなり周回遅れといえよう。

先進的取り組みは、実はアメリカ発

 最後に映画の話に戻ると、ムーア監督は「アメリカは外国に比べて、なんてひどいことになっているんだ」と言うのだが、ヨーロッパで刑務所の所員や学校の先生などに取材すると、「私たちはアメリカをお手本にしてこういった改革を成し遂げてきた」と話す様子が興味深い。

 アメリカは移民の国なので、さまざまな抵抗と軋轢がありながらも、公立学校設立や婦人参政権の導入など、平等や民主主義を国是として改革を行ってきた。しかし、出だしは早かったが、どんどん遅れてしまったというわけである。

 それから、映画を観ていて、ヨーロッパの失業率の高さと、それによる国民の不満などを紹介しないのはフェアじゃないなと感じたが、ムーア監督はインタビューでこう答えていた。

「この映画を見て『なぜイタリアの高い失業率は無視するんだ?』と言われたら、良い部分のみを撮影しに行ったからだと答える。欠点に注目する人がいれば、私は逆に良い部分に注目し、そのコントラストを見せたいんだ。とくにアメリカ人に対して。まあ、世界中の人に対して、とも言えるが。みんな十分に事実は知っているわけだから、その物事がどうやってこんなにひどくなったか、なんていうドキュメンタリーは見に行く必要がないわけだ。それをよくするために何かに刺激を受けて何かを実行する、これが必要なんだ」
(文=横山渉/ジャーナリスト)

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