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外国人を差別しても処罰されない日本…韓国人へのヘイトスピーチ、国は規制する気なし?

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ヘイトスピーチへの抗議行動(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 2013年のユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選ばれるなど、ここ数年、社会問題となっている「ヘイトスピーチ」。それを規制しようというヘイトスピーチ対策法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)が6日3日、国会で成立し即日施行された。ただ、同法の立法目的は次のように定められている。

「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進する」

 つまり、同法は明確にヘイトスピーチの規制を目的としているのではなく、ヘイトスピーチの解消に向けて国が取り組むことを基本的な立場とし、推進すると定めているにすぎない。

 具体的な施策としては、相談体制の整備や教育の充実、啓発活動を挙げるにとどまっている。このように現行のヘイトスピーチ対策法には、ヘイトスピーチを行った場合の罰則規定がない。そのため、同法はヘイトスピーチを規制する実効性がなく、不十分だとの声も一部で上がっている。

 なぜ罰則規定がないのだろうか。罰則を設けなかった理由について、中尾慎吾弁護士は次のように分析する。

「憲法21条1項で保障されている『表現の自由』に配慮して、国民の表現行為に対する事前抑制的な効果を最小限にするために、今回は罰則を設けなかったのではないでしょうか」

 つまり、罰則を設けることで、多くの人に「迂闊に意見表明をすることができない」という意識を植え付けないように配慮したというのだ。

罰則のないヘイトスピーチ規正法の意義

 罰則がなくても、実効性はあるのだろうか。中尾弁護士は、「刑罰は、国家が国民の特定の行為に対して科するものであり、基本的には刑法という分野における問題となります。他方、刑法の分野において罰則が規定されていない行為でも、民事上で違法とされる行為は存在します」と述べる。つまり、刑事上の罰則と民事上の違法は分けて考える必要があるのだ。
 
「ヘイトスピーチ対策法に罰則規定がないからといって、不法行為に該当しないということにはなりません。個別具体的な事情を考慮した上で、民事上の不法行為を構成するものであるのか、あるいは特定の言動がヘイトスピーチに該当するのかを慎重に判断します」(同)