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危険な食の“常識”

ドリンクで「レタス○個分の食物繊維」のまやかし…極微量、ただの人工合成品

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「Thinkstock」より

 9月2日付本連載前回記事『野菜を食べないと人体に危険!食物繊維不足で大腸がん急増、絶対食べるべきリスト』において、食物繊維が健康増進に大いに役立つと紹介しました。

 近年急増している大腸がんをはじめとして、高血圧、動脈硬化、肥満、糖尿病、便秘、痔、虫垂炎を予防する効果があります。

 食物繊維は、穀類、豆類、海藻類に多く含まれています。特に、かんてん、ひじき、のりといった海藻類は含有量が多いため、積極的に摂取することが望ましいといえます。また、きくらげや干ししいたけも海藻類に負けないほど多く含んでいます。

 外食や弁当を買って食べることが多いと、これらの野菜類の摂取が少なくなり、食物繊維が不足します。しかし、そのような場合でも、サプリメントは摂取すべきではありません。前回記事でも、サプリメントによって食物繊維だけを摂ることは危険が伴うと指摘しましたが、食物繊維を摂りすぎるとおなかがゆるくなったり、ミネラル等の必須栄養素の吸収が妨げられたりするおそれがあります。ひどい場合には、味覚障害を引き起こすおそれがあります。

 では、サプリメントではなく、食物繊維含有の飲料ではどうでしょうか。

 多くの飲料メーカーが、「レタス○個分の食物繊維が摂れる」などと謳った商品を販売しています。これは、消費者の錯覚を利用した表示です。

 まず、レタスは野菜類の中で極めて食物繊維の含有量が少ない食品です。レタス100g中の食物繊維含有量は1.1gです。かんぴょう(30.1g)、切干大根(20.7g)、ごぼう(6.1g)、枝豆(4.6g)などと比べても、とても少ないことがわかります。

 さらに、メーカーごとに「レタス1個分」の食物繊維の基準が異なります。各メーカーのレタス1個分の食物繊維量を見てみると、312mg、500mg、2000mg、2500mg、7500mgと大きくバラつきがあります。一般的なレタスは、300~500gですから、3~5g(3000~5000mg)が妥当に思えますが、なぜこんなに違うのでしょうか。

 それは、飲料に含まれているのが水溶性食物繊維だからと推察できます。食物繊維には、大きく水溶性と不溶性がありますが、飲料には水溶性のものだけが使われていることが多いのです。

 ちなみに、レタスにも水溶性食物繊維が含まれていますが、その含有量はレタス100g中に0.1gです。つまり、300gのレタス1個に300mgしかありません。もっとも基準値の低かったメーカーは、この値を採用している可能性があります。

 この基準に照らした飲料で「レタス10個分」と謳われていたとしても、かぼちゃ100gを食べるよりも食物繊維は少ないのです。

 さらに、ドリンクに含まれる食物繊維はポリデキストロースと呼ばれる人工合成品です。これはトウモロコシ由来のブドウ糖に、人工甘味料のソルビトール、クエン酸を混ぜて加熱したものです。体内ではほとんど消化されないため、危険性は低いといわれていますが、サプリメントと同様に、摂取すべきものとはいえません。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)