平均7000万円の新築マンション、買ってはいけない?なぜ同一物件で1000万も差?
今年、消費税の10%への増税が見送られた件で、もっともがっかりしているのは不動産業界ではないだろうか。8%にアップされた前回同様に駆け込み需要を期待していたのに、当てが外れたというところだろう。
その「お詫び」でもないだろうが、政府は突然「タワーマンションなど20階建て以上の高層マンションにかかる固定資産税を見直すことにする」と言い出した。
これが実施されると、新規購入分から増税の可能性が出てくる。今年12月にまとめる「平成29年度税制改正大綱」に盛り込み、認められれば2018年1月にも実施する方針だというから、実現すれば、まさに来年のタワマン駆け込み需要を喚起できるだろう。
とはいえ、東京都区部の新築マンションの価格は高止まりしたままだ。国土交通省のレポートによると、16年9月の平均価格は6849万円。8月の7238万円よりは若干下がったものの、「35年ローンでも手が届くだろうか」という価格だ。
マイナス金利の影響で住宅ローン金利は空前の低水準とはいえ、この金額では指をくわえているしかない。とはいえ、新築マンションの売れ行きは鈍っている。じっと待っていれば、今後、マンション価格が下がってくる可能性はあるのだろうか。
長年、不動産調査会社で不動産マーケット分析を担当し、現在はネクストHOME’S総合研究所のチーフアナリストでもある中山登志朗氏に、今後のゆくえを聞いた。
ミニバブル期より高い新築マンション価格
不動産物件高騰の主な要因としていわれてきたのが、東日本大震災の復興需要や東京オリンピック・パラリンピックの工事による資材や人件費の高騰だが、「これまでは『高くても売れる』という堅い需要があった」と中山氏は言う。
「新築マンションの需要を担う購買層は、4つあります。実需、国内の個人投資家、相続税対策組、海外投資家です。この4つのニーズが常に潤沢にあるのが東京都区部で、彼らが東京の高額物件をこれまで買い支えてきたといえます」(中山氏)
中山氏によると、わずか4年前の平均価格は4600万円、ミニバブルといわれた07~08年でさえ5000万円だったという。
「それが、今年に入ってからは6000万円超えとミニバブルのときより高い。この原因は、まずはとてつもなく値段の高い物件が平均を押し上げているためで、さらに首都圏郊外の物件もじわじわ上がってきています。それにより価格全体が底上げされ、高止まりの傾向になっています」(同)
新築マンションをほしい人はもういない?
億ションがまるで雨後の筍のように乱立したために平均価格が6000万円を超えたわけで、個体差はもちろんある。しかも、需要という面では「今は曲がり角にきている」と中山氏は言う。
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