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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

空気だけで走る車、普及本格化で日本自動車メーカーの脅威に…空気から水生成も普及

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グロアシス・ウォーターボックス(「Wikipedia」より/Ingeev)

 数年前のことだが、資源エネルギー外交の一環として中東諸国を訪問した。なかでもサウジアラビアでの体験は強烈であった。同国の外務省で日本人初の講演を行った後、砂漠の民ベドウィンの族長のもとを訪ねた時のことだ。

 それまで何カ月も雨が降らず、ラクダの乳で喉を潤していたとの話を聞いていると、突然、あたりが薄暗くなり、無数のトンボが出現。その直後、雨が降りだしたのである。ベドウィンたちからは「恵みの雨をもたらしてくれた日本人」ということで、大歓迎されることになった。乾燥地での生活において「水一滴は血一滴より貴重」という。あらためて水の重要性を噛みしめたものである。

 いうまでもなく、世界的な水不足が深刻な問題をもたらし始めている。水源をめぐる紛争や対立も激化しつつある。2025年までに、世界人口の3分の2は水不足の生活を余儀なくされるようになるという。シリアで続く紛争も、元をたどれば水問題が引き金であった。

ウォーターボックス


 しかし、「ピンチはチャンス」との発想でこの水不足を新たなビジネスと受け止め、技術の力で乗り越えようとする動きも各地で見られるようになってきた。国連や世界銀行でも水問題の深刻さを訴えると同時に対策に向けての資金提供も進めている。もちろん、民間サイドにおける研究開発や商品化の動きも活発化している。

 たとえば、すでに08年の時点で、オランダで開かれた科学技術サミットにおいてオランダ人の発明家ピーター・ホッフ氏は「ウォーターボックス」と銘打った新商品を展示し、栄えあるベーター・ドラゴン賞を獲得している。欧州を代表する電機機器メーカーであるフィリップスCEO(最高経営責任者)のジェラルド・クライスターリー氏から「最も将来が期待される革命的な発明」と認定する賞状と賞金を受け取ったものだ。

 その後、この新商品は「グロアシス」という名称で知られるようになった。このアクアプロ社製商品は砂漠地帯において木を育てる上で欠かせない技術になるとの期待が高まっている。すでにサハラ砂漠での実験を通じて、その性能が立証されつつあるからだ。砂地とか岩場という劣悪な環境のもとでも、この装置を使えば大気中から必要な水分を吸収し貯蔵することで、そのボックスに植えられた木が大きく育つようになる。

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