日本維新の会は希望の党と選挙協力を行っているため、東京の25の小選挙区では立候補者を擁立せず、比例東京ブロックのみでの立候補だ。比例1位は、捲土重来を期す木村剛司元衆議院議員である。
木村氏は、「身を切る改革で教育無償化」「消費税増税凍結」を日々訴えている。その木村氏の応援に声優の横山智佐さんが駆けつけたことが、インターネット上で話題となった。横山さんは、人気ゲーム『サクラ大戦』のヒロイン・真宮寺さくらを演じるなど、アニメや声優の業界ではトップランナーだ。
しかし、なぜ横山さんが木村氏を応援することになったのか。日本維新の会の政策の、どんな点に共鳴しているのか。横山さんと木村氏に聞いた。
なぜ声優が日本維新の会を応援?
――まず横山さんに、木村氏とのご縁からうかがいます。
横山智佐さん(以下、横山) 東京・墨田区の曳舟に、真宮寺さくらの等身大人形が置いてある喫茶店「珈琲家」があり、私も木村さんも、そこのお客さんでした。
私の出身は曳舟で、『サクラ大戦』の作者である広井王子さんも、偶然ですが曳舟です。その珈琲家のマスターが、お客さんたちに「バーベキューをやるから集まろう」と呼びかけて、友人になりました。木村さんとは、曳舟の地元仲間なんです。
――木村氏も、その珈琲家によく出入りされていたのですね。
木村剛司氏(以下、木村) もともと、珈琲家は曳舟駅の高架下にありました。墨田区議会議員だった私は、曳舟駅近くで演説してお騒がせするものですから、その店でコーヒーを飲むようになったのです。ご縁は長いですよ。
しかし、曳舟駅の耐震工事にともなって、すべてのテナントに「撤退してほしい」という話があり、今は駅から徒歩30秒の場所に移転しています。お客さんは、みんなマスターのファンですよ。マスターが、人と人との縁をつないでくれるのです。そこに、政治的な意図はありません。横山さんとのご縁も、5年ほど前からです。
――横山さんから見て、木村氏はどのように映っていますか。
横山 損をしてしまうほど、まじめな方です。木村さんの姓で「あいうえお」作文をしましたが、「き」は、「きまじめ」、「む」は、「無垢」、「ら」は「ライオンハート(勇敢な心)」。そんなふうに思っています。
――木村氏から見た横山さんは、いかがですか。
木村 飾らない方だと思います。以前、マスターの奥さんのピアノの演奏会の際に、横山さんもジャズの歌を歌われたことがありました。役を演じている声優さんとしての顔と普段お会いするときの顔は、あまり変わらず、いつも素の方です。非常にきさくで、男性ファンも多いですね。
作家さんや近くの相撲部屋の方のなかには、「横山さんにお会いできる」ということで、珈琲家に足を運ぶ方もいます。
「身を切る改革が先」
――今回、横山さんが木村氏を応援することになった経緯について教えてください。
木村 珈琲家のマスターがきっかけです。私からは遠慮しますし、念頭にありませんでした。