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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

糖尿病日本一の香川県「糖尿病予防レシピ」、かえって患者増加の恐れ?

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

糖尿病予防レシピの重大な間違い

 生活習慣病のなかで、もっとも深刻なのが糖尿病でしょう。深く静かに体の中で進行し、気づいた時には取り返しのつかない状況になっているといったことは、まれな出来事ではありません。自覚症状のない病気なだけに、発見も遅れてしまいがちです。これは大人も子供も同じです。

“糖尿病日本一”という不名誉な称号が与えられたのは香川県ですが、それにあわてたのか、同県は「糖尿病予防ナビ」というウェブサイトをつくり、啓蒙活動に勤しんでいます。

 しかし、そこに紹介されているレシピを拝見した限りでは、香川県の糖尿病はますます増えていくのではないかと心配になります。香川県の方々には申し訳ありませんが、事実です。同サイトに掲載されているレシピはマネしないほうがいいと考えます。

 香川に糖尿病が多いのは、うどんを食べる回数が圧倒的に多いからという意見があります。これには一理あります。うどんは、言うまでもなく小麦の粉でつくります。すなわち、炭水化物です。

 かといって、炭水化物が悪いとか、低炭水化物ダイエットがいいといった短絡的発想に陥ってしまってはいけません。炭水化物には、砂糖や白米、そしてうどんの原材料にもなる白い小麦粉などの「単純炭水化物」と、玄米や三分づき米、精製していない全粒の小麦粉、イモ類などの「複合炭水化物」があります。単純炭水化物は、なるべく食べないようにしたほうがいいのですが、複合炭水化物は、ある程度食べなければいけません。

 そして理想的なのは、複合炭水化物を精製度の低い穀類などで摂り、合わせて精製度の低い豆類を一緒に摂るということです。ともに、“精製度が低い”というところがポイントです。

 そのような摂り方をすると、私たちの体に必要な必須アミノ酸9種類が網羅的に、理想的な比率で摂れるのです。それができていれば、動物性たんぱく質はほんの少量を補う程度に摂ればいいのです。それを数値化すると、全食事量の10%程度となります。このことは、本連載でも再三にわたって述べていますので、ご存じの方も多いでしょう。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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