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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

20代が陥る「転職・負のスパイラル」…勘違いする新卒社員たち

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「Gettyimages」より

 新年度が始まって1カ月以上が経過し、今春新社会人となった若者も新しい環境に慣れた頃だろう。だが、「五月病」という言葉にも滲み出ているが、この時期に苦労して入った会社に疑問を抱き、やる気を失ってしまう人も多い。

 厚生労働省は、昨年度の大卒の新入社員のうち、すでに約5万人が離職しているとの調査結果を発表している。同年度の大卒の就職者数が約45万人だから、“9人に1人”もの人が、1年以内に会社を辞めている計算だ。果たしてそれが“最善”の選択なのだろうか。立教大学経営学部教授の有馬賢治氏は、そういった見切りの早い新入社員たちに警鐘を鳴らす。

若者が陥る“転職・負のスパイラル”


「新卒時に、それなりに納得して入社できた人たちは、学生時代と同様の就活方法で転職を通じてステップアップができると考えがちですが、現実はなかなか思い通りにいくものではありません。転職自体は決して悪いことではないですが、新卒と既卒の決定的な違いを認識しておく必要があります」(有馬氏)
 
 その代表的なものに、学校名という「看板」の有無があると有馬氏は話す。

「新卒の就活生に対しては、社会人としての潜在能力を本人がその学校に入学するまでの努力と、既に社会で活躍している諸先輩の実績から推測して、その“看板分”の評価を上乗せしたうえで企業は選考しています。一方、既卒者は、学歴ではなく社会人になってからの本人の就業実績が判断材料となります。つまり、その時点での社会人としての“等身大”の自分の実力が評価対象となりますので、新卒であれば手が届いた大手企業が、既卒では面接のアポを取ることが難しくなることさえあります」(同)

 既卒では学歴という“下駄”を履かせてもらえない。また、社会人経験が1年程度での転職となれば、一般的に仕事での実績は無いに等しい。

「転職を考えるきっかけは、さまざまな理由が考えられますが、そのなかで『自分に向いた業務を与えてくれない』『上司の人の使い方がうまくない』『自分の提案を聞いてもらえない』などのネガティブな動機が発端の場合は要注意だと思います。採用側からの視点で考えれば分かりやすいのですが、安易にほかの企業に移ればうまくいくだろうという考えで転職に動き出していると受け取られてしまうと、採用側は『また同じ理由で我が社もすぐに辞めるのでは』と懸念してしまいます。こうした理由で転職を繰り返していると、希望する企業規模や業務をどんどん妥協せざるを得なくなっていき、遂には“転職・負のスパイラル”に陥るというわけです」(同)

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