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六代目山口組が他陣営の切り崩しを活発化…その裏には8月1日に迫ったタイムリミットがあった

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来年にも出所が予定される髙山清司若頭

 五代目体制を発足させた神戸山口組中核組織「五代目山健組」本部には、5月17日になると、代目継承のお祝いに友好関係の他団体が次々と訪問していた。

 まずは、関東の住吉会幸平一家(東京)を皮切りに、二代目浪川会(福岡)、七代目会津小鉄会(京都)、そして九代目酒梅組(大阪)、忠成会(神戸)が訪問し、五代目体制の発足に花を添えたようだ。

 捜査関係者の話によれば、先代の神戸山口組・井上邦雄組長をはじめ、五代目山健組・中田浩司組長ら最高幹部は、終始笑顔でその訪問を出迎えていたと話している。さらに翌日には、極東会(東京)最高幹部が山健組本部を訪れていたことが報道陣によって確認されている。

 一方、六代目山口組では8月1日までに、神戸山口組と任侠山口組を切り崩すように檄が飛んだといわれているが、それがここ最近、六代目山口組中核組織・三代目弘道会を中心に活発化しているというのだ。

「弘道会のなかでも、特に野内組はそうした切り崩しに成果を上げていると聞いている。先日も野内組武闘派組織が、神戸山口組系から離脱後に一本でやっていた組織の組員を自軍へと引き入れることに成功したようだ。その組織は、他の組織に移籍することが決まっていたらしいが、野内組が切り崩しに動き、成功したようだ」(六代目山口組系関係者)

 野内組といえば、三代目弘道会で統括委員長を務める野内正博組長が率いる組織で、三次団体でありながら、六代目山口組の直系団体を傘下に加えたり、六代目山口組分裂後、独立独歩の歩んでいた武闘派組織を吸収したりするなど、勢力、資金力ともに絶大で、六代目山口組直参に昇格するのは時間の問題だと噂が取り沙汰され続けている組織だ【参考記事:六代目山口組傘下で注目の昇進人事】。

 著者がまだ現役当時、所属していた組織の親分と若頭が社会不在を余儀なくされたことから、六代目山口組の定例会へと代理出席するために山口組総本部に向かっている車中で、同乗していた直参組長らが野内組長の直参昇格の噂を口にしていたことを記憶している。野内組の武勇は、今に知れ渡ったことではなかったのだ。

来年に迫った髙山若頭の復帰

 その一方で、別の業界関係者は次のように話す。

「六代目山口組系列組織には、“切り崩し報告”といったファクスがここ最近、頻繁に流れてきている。各組が争うように切り崩しを進めているのには、8月1日というタイムリミットが関係しているのではないか」

 前述したように、六代目山口組執行部は、神戸山口組と任侠山口組を切り崩すタイムリミットを設定している。なぜ、そのようなものがあるのか。六代目山口組系幹部はこう説明する。

「本家の髙山清司若頭という親分は、規律を重んじることで知られており、そこに一切の妥協は許さない。特に六代目山口組を割って出た勢力とは明確に一線を引き、原則、出戻りも認めない。その髙山若頭は現在社会不在中だが、来年には出所してくる。そのため、切り崩しの期限を8月1日と設定し、それまでに戻ってきた組員たちにも、髙山若頭が復帰される時までに六代目山口組員としての自覚をしっかり持ってもらう必要がある。そのためにも、8月1日以降の引き抜きは認めないというわけだが、それだけでなく、神戸や任侠とのシノギはおろか、彼らと連絡を取ることすら認められなくなるため、六代目山口組、特に弘道会では、この時期の切り崩しに躍起になっているのだ」(六代目山口組系幹部)

 この幹部の話では、実際、六代目山口組分裂後も、上部団体が異なっていたとしても、下部組織になればなるほど、地域ごとに特別な関係性を築き、共存共栄を図っていたケースが多いという。特に分裂以前から一緒にやっていたシノギなどは、上部団体が敵味方に分かれたとしても、これまで通り続けられていることもあるという。

 だが、8月1日以降は、そういった暗黙の了解のような事項ですら、六代目山口組サイドでは認めないというのだ。

「その規律を破れば、処分される可能性もある。だからこそ、切り崩し期間内に自陣に取り入れ、勢力拡大するために躍起になっているのではないか」(業界関係者)

 暴力団排除条例の影響により、ただでさえヤクザの収入源は大きく削がれている。とりわけ警察当局は山口組に対し、分裂状態にあることに乗じて、勢力の弱体化を狙っての取り締まりを強化させている。

 六代目山口組の現場では、それでも法の網の目をくぐり、シノギを守っていた。だが、そこに神戸山口組や任侠山口組が携わっているようなものは、8月1日以降は認めないといわれれば、六代目山口組サイドが、そうしたパートナーを自陣に引き込むために躍起になるのも頷ける。

 他陣営の切り崩しを活発化させる六代目山口組。新体制を発足させた神戸山口組系五代目山健組。そして、発足1年が過ぎた任侠山口組の存在。山口組の分裂騒動はいまだに続いている。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。2014年、所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

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