「現実逃避」というと、目の前の物事から逃げたり、トラブルが起こっているのに解決策を考えなかったりと、あまりいいイメージはありませんよね。
しかし、ストレスの点から言えば、現実から逃げることで適度に無責任になれる人の方が、何にでもきちんと向き合ってしまう人よりもストレスは溜まりにくいのです。
テレビ番組制作に20年以上関わり、様々な出演者を間近で見続けてきた五味一男さんは、著書『賢い!「現実逃避」術』(PHP研究所/刊)で、成功している人ほど、現実逃避によってストレスをコントロールするのがうまいとしています。
一体どのように「現実逃避」すればストレスを溜めこまずに済むのでしょうか?
■「悪いのは自分じゃない!」
起こったことを、すべて「自分の問題」と捉えて、他人事だと思わずに問題解決にあたることのできる人。多くの企業はそんな人材を求めています。
しかし、会社で実際に働いてみると、自分の関係のないことで怒られたり、理不尽なクレームをつけられたりするケースがいかに多いことか…。
聖人君子じゃあるまいし、こんなことまで全て「自分の問題」として捉えたら体がいくつあっても足りません。ストレスで体を壊す前に、物事を周囲の人や世の中に責任転嫁するコツを身につけておきましょう。
本書では「ライトな気分で呪う法」「合法的にイヤな奴になる法」など「上手な責任転嫁の方法」が紹介されています。
■「あの頃はよかった…」
過去の栄光を引き合いに「あの頃はよかった…」「昔はこんなんじゃなかった」となつかしむのは、基本的に「かっこ悪い」ことです。今の自分にはまったく希望がなく、今後もいいことは起こらないと諦めきってしまっているような、後ろ向きな響きがあります。
しかし、ピークだった時期の自分を思い出して、当時の自信を呼び覚ましてあげるということなら話は別。「あの頃、あんなすごいことをやり遂げた俺が、今できないはずがない!」と自分を鼓舞するために現実逃避して過去を振り返るのであれば、決して悪いことではないのです。
ここでは「後ろ向き」を「前向き」に変えてしまう「賢いメンタルコントロール」の方法が紹介されています。
■明日でいいなら明日やろう
働いていると、立て続けに問題に巻き込まれたり、厄介ごとが降りかかってきて収拾がつかなくなることがあります。こんな時こそ賢い現実逃避です。
一度、問題から距離を置き、心をリセットしてから改めて取り組んだ方がいい結果も出やすいのです。