大学受験が本番シーズンを迎えた。
「毎年、『どうしてこういう結果になったのだろう?』という受験生は割と多いです。いいほうに転んで、最も難易度の高い大学にだけ合格し、それ以外は不合格だったというケースも、不思議ですが実際に起こります」
代々木ゼミナール教育総合研究所入試情報室の川崎武司室長の言葉である。人生のあらゆる局面と同じく、予測通りにはいかないのが大学受験だ。前回記事『東大・早稲田・慶應が「関東の地方大学化」…早慶は7割が関東出身、東大より地元大学』では最近の受験の動向について紹介したが、今回はいよいよスタートした今年の大学受験で、いかにして失敗のリスクを回避していくかについて、川崎室長と同研究所の佐藤雄太郎所長に話を聞いた。
まず、少子化で受験生の数は減っているが、その影響はどうなのだろうか。
「受験人口が200万人くらいの時代もありましたが、現在の18歳人口はおよそ120万人くらいです。東大を例にすると今も昔もだいたい募集人員は3,000人ほどなので、母数が減っている分、単純に言えば入りやすくなっているのは事実です。ただ『それなら東大を目指そう』という受験生も増えているわけで、私立の難関大学も含めて倍率は高いままで推移しています。一方、私立大学全体で見ると、地方の大学を中心に現在は4割強が定員割れしています。
私立大学に対しては文科省の主導で定員厳格化が図られています。それまで定員の1.2倍まで大学としてのキャパシティが許されていましたが、8,000人以上の大規模大学に対して2016年で1.17倍、17年で1.14倍、この春の入試では1.10倍まで厳格化するとなっています。もしその基準を超えてしまうと補助金がカットされます。4,000人以上8,000人未満の中規模大学についても、数値は異なりますが定員厳格化が図られています。これには地方の大学に受験者を振り分けるという意図があり、大学受験の状況は二極化しているといえます」(川崎室長)
では実際に受験に関する失敗リスクを減らすには、どうしたらいいだろうか。