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奨学金「批判」の誤解…滞納者の半数、返済義務を認識せず利用

取材・文=小野貴史/経済ジャーナリスト
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奨学金「批判」の誤解…滞納者の半数、返済義務を認識せず利用の画像1「Gettyimages」より

 日本学生支援機構奨学金に対する批判が多いなか、その制度内容が十分に理解されないまま利用が広がっていると指摘する声もある。現在強まっている奨学金への批判は、的を射ているのか。また、現在の奨学金は、どのような点が問題なのか。そして、今あるべき奨学金の姿とは。日本財団パラリンピックサポートセンターのディレクターで、2月に出版された『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』(ポプラ新書)著者の本山勝寛氏に話を聞いた。

――本山さんは高校時代に親が家に不在だったため、アルバイトと奨学金で生計を賄って、予備校にも行かずに独学で東京大学に現役合格しました。どんな方法で勉強したのですか。

本山勝寛氏(以下、本山) 高3になる前の春休みから受験勉強を始めました。それまでは毎日、うどん店で皿洗いのアルバイトをして夜遅く帰宅する生活を続けていたので、ほとんど勉強をする時間が取れませんでした。しかし、一念発起して東大に行こうと決意しました。
 
 東大を受験する高校生がよく通うZ会なども授業料を払えないので、学校の教科書と必要最低限の参考書と問題集で勉強しました。それしか選択肢がなかったのです。そこで東大生が書いた受験体験記を何度も読み込んで、参考書と問題集を選び、対策を研究しました。1年計画を立てて、どの問題集をいつまでにやるかというスケジュールを組んだのです。

 それまでは定期試験の前にしか勉強しませんでしたが、それからは休みの日は1日14時間勉強して、急激に成績が上がっていきました。

――それまでの成績は?

本山 学年400人中200番から300番で、中の下ぐらいでした。

――1年計画を立てた時には、先生に相談したのでしょうか。

本山 いえ、まったくしませんでした。自分で考えました。ただ、高校が県立の進学校だったので、受験対策のプリントを作成してくれて、足りないところは参考書と問題集で補っていました。

――そもそも東大を目指そうとしたのは、どんな動機からですか。

本山 ザックリとした感じですが、高2の時に進路で悩んでいて、『竜馬がゆく』(司馬遼太郎/文藝春秋)など幕末ものが好きだったこともあって、将来日本の国のリーダーになりたいな、社会を変えたいなと。多くのリーダーを輩出している大学はどこかを調べたら、東大だったので、東大をめざすことにしました。

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