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『天職は寝て待て』の著者・山口周氏に聞く

これが「天職」に巡り合うための「転職」の極意だ!

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山口 サイバーエージェントからコンサルティングファームへ転職した際には、複雑な問題を分析することや概念をビジュアルに落とすようなことは得意だと思って転職しました。しかし、そうした分析が得意な戦略コンサルタントなどは日本には600~700人いますし、その集団の中では、私はトップ100に入れないと思いました。ただ、コンサルタントには複合的な能力が必要です。お客さんが本音のところで抱いている問題意識を感づいたりする力や、コンサルティング会社が入ってきて不愉快に思っているお客さんと仲良くなり情報を引き出すようなヒューマンコミュニケーション能力など、多面的な能力です。コンサルティング会社では、そういった多面的な能力のバランスを考えチームを組み、得意・不得意な領域を相互に補完し合いながら動きます。私はお客さんの思いに対する皮膚感覚が鋭く、オリエンテーションを通して、「この人が本当に困っているのはここだな」とか、「ここまではやる気があるな」と、敏感に感じ取ることができました。それをお客さんへの提案書に書くので、幸いにもコンペで負けたことがないのだと思います。一方で、ものすごく頭がよく、素晴らしい分析をするけれど、そういったセンスがよくないコンサルタントもいます。基本的には、コンサルティング業界へ入ってくる人は、分析や概念を構造化することが得意だと思って入ってくるわけです。しかし、その中で1割に入らないと、その世界では生きていけません。例えば、中学校の陸上部では足が速いといわれている子も、県大会レベルになると途端にかなわなかったりします。仕事で活躍するというのは、全国大会レベルなんです。学校単位で何が得意であったかということで判断をすると、全国大会で活躍するのは難しいのではないでしょうか。

「天職」とは他者から与えられるもの

――では、山口さんが今までの転職活動で気を付けていた点を教えてください。

山口 こちらがある会社に転職したいというケースでは、転職したい会社側に気に入ってもらわないといけません。一方で、自分がその会社を本当に気に入るかどうかを見極めなければいけない。世間一般の転職希望者とは、私は若干モードが違うかもしれませんが、自分が自然体でいようと思いました。そのために、まずその会社の社風や一緒に働く人がどういう人かということを気にかけました。そのために、一緒に働くことになる人に、なるべくたくさん会いました。A.T.カーニーへ転職する際は、パートナー全員に会わせてもらいました。一緒に働く人に時間をつくってもらい、仕事上でどんな点を重視しているのか、どんなキャリアを持っている人なのか、人となりなどを聞いてから意思決定しました。

――そこまでできるのは、特別な企業のケースですよね。

山口 できるかどうかは別にして、少なくとも申し込んだほうがいいと思います。転職活動は、パワーバランスが途中でダイナミックに変わります。例えば、5人の募集に200人来るとなると、初めはパワーバランス的には会社側のほうが強い。しかし、いざ内定が出る段階になると、会社側は人が足りないから募集しているわけですから、応募者側のほうが強くなります。その段階では、よほどのことがない限り、いろいろ要望を伝えたほうがいいと思います。それで不採用になることは、あまりありません。むしろ、そのくらいのことで不採用にする会社はやめたほうがいいですね。

――本書のタイトルにもある「天職」とは、なんでしょうか?

『天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論』 山口周氏の“体験的”転職=天職論 amazon_associate_logo.jpg

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17:30更新
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