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何がレストランを虚偽表示に走らせたのか?厳しい経営事情と、人気「俺の」成功モデル

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 今回のメニュー虚偽表示は、偽ろうという悪巧みよりも、単に“ズボラ”なだけだと指摘するホテル経営者もいる。

「飲食部門はズボラなんですよ。先日も、とあるチェーンのビジネスホテルが、レストランで利用する食材の発注リストを作成しました。要は『この食材は、ここで発注するように』というお達しです。業者によって値段は違うから、最安値にしようという試みです。しかし、昔のままの発注先を利用したり、発注を忘れて当日に別の業者から購入したりと、一向に食材費が下がらない。こうした変更が発生してもメニューはそのままなので、虚偽表示というよりも『まぁいいだろう』という感じなんです。料理人としては一流ですから、腐ったものを出したり、賞味期限切れに対しては敏感ですが、仕入れやメニュー表記などのマネジメントに関してはあまり気を使いません」

 多くのホテルのレストランでメニュー虚偽表示が行われたのが、2008年前後から。皮肉にも、シェフたちは09年にスタートした「俺のフレンチ」シリーズなどを展開する俺の株式会社に流れ、一大ブームを巻き起こす。俺のは、FLコストを制限しなくても儲かる仕組みを経営側が熟考し、立食というスタイルを採用した。立食にすることで回転数を上げ、ホテルが抱えていた問題をクリアしたのだ。「今まで働いてきたレストランは食材費の締め付けが厳しかったが俺のにはそれがなく、やりがいを感じる」とシェフたちは明かす。

 メニュー虚偽表示は、レストランの経営側が現場に対し単に数字だけを押し付けた結果、生まれた荒業といえる。ホテル経営陣やシェフが考えなければいけなかったのは、FLコスト至上主義ではなく、ホテルレストランの強みやお客様が求めていること。それをベースに、どのようなカイゼンができるかではないだろうか。

「重要な接待や特別な日には、ホテルのレストランに–」。信頼がつくり上げた需要が、フランチャイズには勝てないながらも、継続的に利益を上げさせていた。しかし、純利益を求めるあまりに、信頼までも失ってしまう結果となってしまった。
(「ホテル&レストランジャーナル」編集部)

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