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鮫肌文殊と山名宏和、と林賢一の「だから直接聞いてみた」 for ビジネス

映画上映中の中断事故、なぜ起こる?補償対応になぜ違い?映画館さんに聞いてみた

文=酒平民 林賢一/放送作家・脚本
映画上映中の中断事故、なぜ起こる?補償対応になぜ違い?映画館さんに聞いてみたの画像1「Thinkstock」より

 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は人気放送作家の林賢一氏が、映画館でしばしば遭遇する上映中映画の中断理由や、補償対応の違いに関する疑問について迫ります。

【今回ご回答いただいた企業】

 新宿バルト9

 映画は映画館で観るべきものだ、という今となっては古くさい(かもしれない)信念を持っている。こればっかりは好みとしかいいようがないのだが、DVDやBDでしか観ることのできない作品以外は、なるべく劇場で鑑賞するようにしている。

 やはり劇場で映画を観ると、没入感が違う。

 視界すべてがスクリーンというフィクションの世界で覆われる世界は格別である。ある意味では2時間絶対に醒めない夢を観るためにお金を払っているようなものだ。格別の夢がそこにはある、と信じて我々は劇場に向かうのだ。夢なら醒めてほしくない。

 そんな没入感が突如解除されて夢から現実の世界に引き戻された経験を、私は最近2回ほどした。1回目は途中から字幕がバグったようにおかしくなり、その数分後に上映中止。2回目は突然スクリーンが真っ黒になり上映中止。これから盛り上がるはずの物語中盤での出来事だった。

 もちろん、映画上映のトラブルは仕方ないと思う。だけれども、その仕組みが気になる。私が体験した上映ストップは、どちらも「新宿バルト9」(東京・新宿)で起きたものだった。

 そこで新宿バルト9さんに直接聞いてみた。

「映画が上映中にストップするのはなぜですか?」

担当者 その時々によるのですが、機械の不具合で映像が止まってしまうことが、まれに発生してしまうんです。

–機械の不具合というのは?

担当者 サーバーへの通信のエラーですとか、色々な症状ではあるのですが。

–インターネットとか、回線の問題なのですか?

担当者 元の集中管理をしているコントローラーのような機械がございまして、そことの通信で映像を配信しているかたちなのですが、そのセンターのサーバーに対してエラーが発生してしまい、上映が止まってしまうことがあります。

–以前2回ほど上映がストップしてしまい、その時は「再開まで15分ほどかかります」と言われて、お客さんの中には帰る人もいたのです。

担当者 はい。

–1回目は料金の払い戻しをしてくれて、2回目の時は無料チケットをいただきました。状況によって対応が違うのでしょうか?

担当者 そうですね、上映が停止している時間ですとか、その時によって対応を変更しています。復旧までにそこまでお時間がかからなかったということであれば、次回のご招待券だけというかたちをとらせていただきますし、お時間がだいぶかかってしまったということであれば「ご返金プラス次回のご招待券」ということで、ご対応させていただいている場合もあります。

–上映が止まったりするのは、誰かがチェックしてるのですか?

担当者 弊社の従業員でございます。

–それは、全スクリーンをずっと見ているということですか?

担当者 ずっと見てるということではないのですが、巡回で確認をさせていただいております。

–あと、私が観た回では映像は普通に流れているのに、字幕だけバグった感じになったんですが、映像と字幕のデータは別々に出力しているのですか?

担当者 いや、そういうことではないのですが、データで上映しておりますので、再生をする準備の段階で何かしらの不具合が発生して、字幕が出なかったりですとかという現象が、まれに発生することがあります。

フィルムで上映していた時代と、どちらがトラブル多いですか?

担当者 フィルムのほうが、発生する頻度が高かったと思います。復旧までのお時間も、フィルムのほうがかかってしまった場合もあったそうです。

 というわけで「なぜ上映がストップするのか?」という疑問に対して、「サーバーの通信エラー」というわかったようなわからないような回答だった。結局は、インターネットなんて……。

 デジタルに囲まれた現実から離れるために映画館に行っている側面もあるのに、その劇場までもデジタルで構築されているとは、わかってはいたけれど、何か寂しいものも感じてしまう。フィルム上映する映画館は数えるほどしかないのが現実だが、できるだけそういった劇場に足を運ぼうと、改めて思った次第である。
(文=酒平民 林賢一/放送作家・脚本)

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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