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名将・野村克也氏が分析する、田中将大がMLBで成果を挙げるためのポイント

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■レジェンドはもっとすごかった

 NPB史上、最もコントロールの良かった投手の一人として必ずあがるのが、杉浦忠投手(南海)だろう。南海ホークスの名捕手だった野村さんにとって同じ年の“相棒”である。杉浦投手が38勝4敗という圧倒的な成績を残した1959年の与四球率は、なんと「0.85」。371回を投げて、35四球という驚くべき数字だ(※1)。

 その年、杉浦投手はストレートとカーブだけで打者を圧倒した。アンダースローというフォームから繰り出されるストレートはホップして浮き上がり、カーブは左打者が外角ボール球と思って見逃しても、その鋭い曲がりでストレートゾーンに入り、見逃し三振になる。

 野村さんは杉浦投手について「実際のところ繊細なコントロールには欠けたのだが、数字の上では稲尾和久(西鉄)より与四球率が低い」と語り、「腕を振り、球に勢いがあり、ド真ん中に投げても凡打に打ち取れた分、四球は少なかった」と回想している。

 もちろん、与四球率が高くてもエースに上り詰めた投手はたくさんいる。野茂英雄投手や石井一久投手などは、コントロールにムラがあっても、その剛球でファンを沸かせた。しかし、四球を出さない投球ができる投手の方が安心して観戦できるのは、野球ファンの心理であるはずだ。

 本書は野村さんと同時期に活躍した選手から、現役で活躍している選手たちまで73選手の分析を通して、野球のイロハを解説している、今までになかったタイプの本だ。インフィールドフライのルール説明や、ヒットエンドランの打ち方まで、ノムラの考えに基づいた野球解説書なのである。なので、野球ファン、野球をしている人、子どもまで、野村さんの独特なアクが苦手な人でも、楽しむことができる。

 「今年田中投手は何勝できるのか?」は神のみぞ知るといったところだが、フォアボールで自滅することがなければ、かなりの成績が期待できるはずだ。
(新刊JP編集部)

※1…規定投球回を超えて与四球率が「1.00」以下だった投手はもちろん最近にもいる。野村さんのシダックス時代の教え子である武田勝投手(北海道日本ハム)は2011年に164回2/3で与四球18、与四球率0.98という驚くべき数字を記録している。しかし、調べるとさらにその上を行く投手がいた。その年の成瀬善久投手(千葉ロッテ)は189回2/3で与四球18、与四球率を計算すると、なんと0.85。杉浦投手と同じ数字だ。「飛ばないボール」だった時代とはいえ、すごい成績である。

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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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