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久本雅美、百田尚樹…タレントの選挙応援演説、人気投票化や「ファンの集い化」を加速

文=小川裕夫/フリーライター
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 ただし、街頭演説で歌手が歌を披露することは利益供与に当たるとして公職選挙法で禁止されている。「何を利益供与と見なすのか」という基準はあいまいで、元プロレスラーで現参議院議員のアントニオ猪木さんは、「闘魂注入」と称した平手打ちをするパフォーマンスで人気があるが、以前にこの行為が「利益供与に当たるのではないか?」と真剣に議論されたことがあった。

 ちなみに、街頭演説のギャラリー側にも芸能人を見掛けることもある。タレントの春香クリスティーンさんやお笑いタレントの大川豊さんは政治通でもあり、街頭演説に足しげく通っているようだ。

 気になるのは、応援弁士には年配の有権者に人気のあるタレントが多いことだ。その理由はいたって簡単で、「若年層は選挙に行かないから票につながらない。どうせタレントを呼ぶなら、年配者に受けのいい芸能人にしよう」と、各政党が考えているからにほかならない。逆説的に、若者が積極的に政治に関与し投票率が上がれば、人気アイドルや今をときめくお笑い芸人などが応援弁士として現れるようになるかもしれない。

 選挙にはこうした楽しみ方や参加の仕方もあるのだ。投票日まで残りわずかだが、タレント目当てに街頭演説に足を運んでみるのもいいかもしれない。
(文=小川裕夫/フリーライター)

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