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白井美由里「消費者行動のインサイト」

なぜスーパーのレイアウト変更はやめたほうがいい?客の流れが反時計回りだと損する?

文=白井美由里/慶應義塾大学商学部教授
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 アメリカでも、買い物客に「買い物でイライラさせられることは何か」と尋ねると、決まって「店内の商品の場所が変わること」という答えが返ってくるそうです【註3】。いつものメンタルマップが使えれば精神的にも余裕があるので、周辺の商品にも目を向けやすくなり、より多くの商品を買うといったことが起きてきますが、レイアウト変更はそうした機会を減らしてしまうのです。

 ファッション商品のように、季節ごとに商品自体が大きく入れ替わる場合にはレイアウト変更は効果的ですが、年中同じような商品が並べられているスーパーでは勧められません。レイアウトを変更するなら、今までとは異なる雰囲気の売り場をつくり、買い物客に新しい売り場になったと感じさせ、楽しい気分でメンタルマップを更新させることが必要です。そうすれば、買い物客のその売場への関心も一層高まることでしょう。
(文=白井美由里/慶應義塾大学商学部教授) 

※参考文献
【註1】Sommer, Robert and Susan Aitkens (1982), “Mental Mapping of Two Supermarkets,” Journal of Consumer Research, Vol. 9 (September), pp. 211-215.
【註2】Groeppel-Klein, Andrea and Benedikt Bartmann (2008), “Anti-Clockwise or Clockwise? The Impact of Store Layout on the Process of Orientation in a Discount Store,” European Advances in Consumer Research, Vol. 8, pp. 415-416.
【註3】スキャメル=カッツ、サイモン(2014)、『無意識に買わせる心理戦略』、イースト・プレス.

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