NEW
牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

巨大ビルが危ない!賃貸市場活況の「真実」…壮絶なテナント奪い合い、中小ビルのスラム化も

文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役

 大規模なオフィスビルも一定数は必要ですが、現在計画されている日本橋や大手町、渋谷、新宿といったエリアごとの再開発計画は、それぞれのエリアを本拠地とするデベロッパーによる「国盗り物語」にしか見えず、各社が掲げる街並みもコンセプト計画も、まったく同じような文言が並んでしまっているようにも思えます。

 相変わらぬ「ハード」優先。ハードをつくればテナントはどこからか湧いてくる、という旧時代の発想で開発を続ける限りにおいては、大規模ビルが大型ビルのテナントを奪い、大型ビルは中小ビルのテナントを襲い、食えなくなった中小ビルがスラム化するという「あたたかみもぬくもりもない」街づくりが繰り返されていくだけです。

 多様な人材を集める、外国人にも不便なく働き生活してもらう、多様なベンチャー企業が集う、発展する街を作りたいのであれば、ハードばかりではなく、彼らを呼び込むことができるソフトウェア、コンテンツといった企画立案能力が今後は問われてくるのです。

 そろそろ競争のルールが変わろうとしています。20年東京五輪は私たちにいろいろな示唆を与えてくれるイベントになることでしょう。東京が、日本が大きく「変革」するときがもうすぐそこに迫っているのです。
(文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役)

●牧野知弘(まきの・ともひろ)
オラガHSC代表取締役。金融・経営コンサルティング、不動産運用から証券化まで、幅広いキャリアを持つ。 また、三井ガーデンホテルにおいてホテルの企画・運営にも関わり、経営改善、リノベーション事業、コスト削減等を実践。ホテル事業を不動産運用の一環と位置付け、「不動産の中で最も運用の難しい事業のひとつ」であるホテル事業を、その根本から見直し、複眼的視点でクライアントの悩みに応える。

情報提供はこちら

RANKING

11:30更新
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合