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児童買春逮捕歴の男性、グーグルへネット上の情報削除求め実質勝訴…グーグルは反発

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 しかし、その一方で報道した記事が残ることは実害が生じると阿部弁護士は指摘する。

「逮捕の事実を公表された人も、執行猶予判決を受けた場合や服役を終えた後は社会に復帰しますから、その後何年も何十年も逮捕歴を公表され続けてしまうと、就職が難しくなるなど社会生活を平穏に営むことが阻害されるという問題があります」(同)

 今回の判決でも、「逮捕の報道があった人も更生を妨げられない利益がある」と明確に述べている。

 では、ネット社会から生じたともいえる忘れられる権利は、今後普及していくのだろうか。

「忘れられる権利を明らかに認定した本決定が契機となり、今後当該権利が広く認められていく可能性もないとはいえません。しかし、権利自体の内容、表現の自由・知る権利とのバランスなど、議論されなければならない事柄もまだ非常に多いのが現状です」(同)

 削除命令を受けたグーグルは仮処分に不服を申し立て、現在東京高等裁判所で審議中だ。忘れられる権利を過度に保護すれば、一方でネット上の情報が一部消滅するわけで、利便性を損なうという不利益が発生するともいえる。

 そう考えると、忘れられる権利が名誉やプライバシーと同様に定着するまでには、しばらく時間がかかりそうだ。

 また、今回さいたま地裁が認定したのは、「ある程度の期間が経過した後は、過去の犯罪を社会から忘れられる権利」であり、あくまで逮捕歴についての判断だ。常識外れの行為をTwitterやFacebookなどにアップして社会問題化したようなケースにまで適用できる権利かどうかは微妙だ。

 忘れられる権利は、ネットによる情報爆発時代に犯した過去の失敗をフォローする有効な武器となるのか。今後の裁判例の展開が注目される。
(文=Legal Edition)

【取材協力】
阿部有生也(あべ・ゆうや)弁護士
伊倉総合法律事務所
宮城県角田市出身。2015年、伊倉総合法律事務所へ入所。代表の伊倉吉宣弁護士以下、阿部弁護士、越川祐介弁護士、薗田佳弘弁護士が所属。
「敷居が低く、相談しやすい環境」をポリシーに、民事事件・刑事事件とも幅広く取り扱っている。風評被害対策にも力を入れ、個人・企業を問わず、インターネット上での誹謗中傷・風評問題の相談を受け付けている。

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