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「朝鮮人を出せ!」韓国人活動家と日本の市民団体が衝突で島根が騒然!警官3百人出動

文=松庭直/フリーフォトライター
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「朝鮮人を出せ!」韓国人活動家と日本の市民団体が衝突で島根が騒然!警官3百人出動の画像1声を荒らげ警察官や機動隊と衝突する市民団体の活動家たち

 2月22日、島根県にとっては記念すべき日だ。そう、日本と韓国の間で領有権を争う孤高の島、竹島の日である。今から11年前に島根によって制定され、毎年県が主催する式典が開催される。そしてお決まりなのが、韓国の活動家と日本の市民団体との諍いだ。両者が「帰れ、ボケ!」「出てこい!」と暴言を吐きながら暴動を起こし、機動隊が出動する展開となっているのだ。

 今年はそんな竹島の日に、筆者は竹島上陸者として初めて式典に参加した。22日当日、島根・松江駅に降り立つと、予想に反して至って日常の風景が流れていた。しかし、遠くからは拡声器で竹島奪還を叫ぶ声が聞こえてきた。その声が聞こえる方向に足を向けてみると、数人の日本人活動家がのぼり旗を手に、「日韓国交断絶!」「竹島奪還!」と声を荒らげていたが、足を止める市民は誰一人としていない。しかし、しばらくすると駅前に右翼の街宣車が走行し、ようやく竹島の日だという実感が湧いてきた。

 場所を移動し、韓国サイドの活動家が決起集会を行うとされるホテルに向かい様子を窺うが、ホテルのスタッフに阻止されてしまい断念。仕方なく、ホテル前で待機していたが埒が明かず、式典が開催される島根県庁方面に向かう。

 県庁に向かうにつれ、警察官や機動隊の数も増し、徐々に物々しい雰囲気に包まれ始める。その数、約300人以上というところか。島根県の警官だけでは間に合わず、広島や鳥取からも応援が駆けつけているという。しかし、各局のカメラクルーたちが待ち構えるが、一向に衝突が起こる気配がない。

 しばらくすると、軽快なBGMとともに街宣車が再び現れ、大音量で「竹島奪還!」と叫びながら走行していく。そのたびに警官たちが道路を封鎖し、一般車に迷惑が掛からないようにするのだが、逆に大渋滞となり迷惑をかけていた。さらに一般人も道路を横断できない状態が続き、遠回りをさせられる始末。

 ようやく、日本の市民団体サイドの活動家が登場し「衝突か?」と思い筆者もカメラを構えるが、肝心の韓国サイドの活動家が現れない。報道陣たちがざわめきだしたそのとき、機動隊に護衛されながら一台のマイクロバスが登場。どうやら、韓国人活動家が乗車しているようで、一斉に県庁前にいた機動隊員たちが人間の壁をつくり、市民団体を遮りだした。

 人間の壁の牙城を崩し、どうにか韓国活動家に立ち向かう市民団体の活動家たちだったが、多勢に無勢。たった5名ほどの活動家たちはその数、50も100もいる機動隊員たちに阻まれ、まったく身動きが取れない状態だった。「逮捕しろ!」「どけよ!」「朝鮮人を出せ!」と、彼らの声だけが空の彼方に消えていくのであった。当の韓国人活動家たちは一切姿を見せず、バスのなかだけの活動だったようだ。地元の新聞記者によると、今年は例年に比べると、かなり落ち着いた状況だったという。

低い日本人の関心

 一方、式典とともに、今年は初めて「国民交流会」を開催。この国民交流会には、超党派による「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(領土議連)の国会議員と島根県議、そして一般人が参加し、竹島に関する意見を述べたという。正直、式典を含め活動家の数からいっても、盛り上がりに欠け形骸化が否めない状態だ。当の島根県民の大半が竹島に興味もなく、竹島の日の存在さえ知らないのである。

 韓国は国を挙げ竹島問題に取り組み、徹底した愛国心教育を行っている。一方、日本はようやく中学や高校の教科書に「日本の領土」と記載され、国民的関心が高いとはいえない。この現状を見て、領有権問題を提起する隠岐の島の住民は嘆息しながら、こう語る。

「私たちのおじいさん世代が竹島に漁に行っていた。私たちは直接話を聞いているので竹島に関して実感があるが、もう私たちの子供たちでさえなんの感情も持たなくなっています」

 すべては日本政府による、傍観ゆえの結果である。隠岐の島の住民たちの高齢化も進み、ますます風化が進む一方だが、5月には隠岐の島に竹島に関する資料施設も設立予定であり、竹島が日本固有の領土であることを啓発していくという。
(文=松庭直/フリーフォトライター)

松庭直/フリージャーナリスト

松庭直/フリージャーナリスト

大手出版社の編集記者を経てフリーに。専門は生殖補助医療、地方問題、韓国・竹島問題。

Twitter:@kfT9ZfEnrQTMavT

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