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「席を代われっていうんだよ!」優先席での激しい口論動画が波紋!そもそも「優先」は強制?

文=編集部、協力=榎本啓祐/弁護士法人ALG&Associates弁護士
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勝手に撮影、SNS投稿は違法行為に該当も

 一方、当該動画のように、優先席に座りたい意思を示している人がいるにもかかわらず、対象外と思われる人が譲らない場合、法的責任が生じることはあるのだろうか。弁護士法人ALG&Associates弁護士の榎本啓祐氏は以下のように語る。

「『優先席を譲る義務』などを定めた法律はなく、法的責任は発生しないと考えられます。あくまでもマナーの問題になります。そのため、仮に譲らないことで高齢者や妊婦の方が体調を崩したとしても、法的責任が生じる事態は考え難いです」(榎本氏)

 やはり、優先席の使用は乗客のマナーやモラルに任されるようだ。一方、当該動画では被撮影者である年配男性の顔にモザイクなどの処理が施されていないままアップされているが、これに関して問題はないのだろうか。

「対象者の同意なく他人を撮影し、写真や動画をネット上に掲載する行為は、肖像権侵害として違法になる可能性があります。肖像権とは、『みだりに自己の容貌や姿態を撮影されたり、撮影された肖像写真を公表されたりしないという人格的利益』などとされ、過去の裁判例でも認められています。具体的な撮影行為が違法となるかどうかは、撮影対象が誰であるか、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様など、さまざまな事情を考慮して決定されます。

 肖像権侵害にあたるか否かはさまざまな事情を考慮して判断されるので、被撮影者が有名人ではなく一般人であっても、ほかの事情から肖像権侵害と判断されることはあり得ます。また、撮影場所が部屋の中などプライバシーな空間ではなく公共の場における撮影であっても、肖像権侵害と判断される可能性はあります。

 今回の動画については、電車内という公共の場にて撮影されたものと考えられますが、個人の顔が明確に判明する態様で撮影されています。また、撮影および動画アップの目的も、被撮影者の言動を非難するためにされたと考えられるものであり、被撮影者の心理的負担を生じさせる可能性があると考えられます。したがって、今回の動画撮影およびネット上へのアップ行為が肖像権侵害と評価され得る行為であることは免れません。

 今回の件に限らず、最近は『街で見かけた変わった人』などを許可なく撮影し、写真や動画をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿する行為が多々見受けられます。しかし、こういった行為は肖像権の侵害として違法とされ得る行為であることを、SNS利用者は正しく認識する必要があるでしょう」(同)

 いずれにせよ、電車内の調和は乗客同士の思いやりや譲り合いで成り立つ部分が大きいと考えられる。面倒がらずに相手の立場を思うことで、自分にとっても快適な空間となるだろう。
(文=編集部、協力=榎本啓祐/弁護士法人ALG&Associates弁護士

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