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東芝、株主総会が地獄絵図…社員「見せしめ強制解雇」横行が暴露、社長は批判を無視

文=深笛義也/ライター
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東芝、株主総会が地獄絵図…社員「見せしめ強制解雇」横行が暴露、社長は批判を無視の画像1東芝・巨額損失問題、半導体分社化を決定(ロイター/アフロ)

 言葉にならない怒号が響いたのは、会社側の説明が終わり、正面のスクリーンに「人と、地球の、明日のために」というキャッチフレーズが大きく映し出された時だ。

「静粛にお願いいたします。質問は後ほど受け付けます」

 株主総会議長を務める綱川智・東芝社長は冷静を保とうとしていたが、わずかに言葉は震えていた。

 30日午前10時より、幕張メッセの幕張イベントホールで、東芝の臨時株主総会が開かれた。株主総数39万7849名のうち、1343名が出席した。崖っぷちに立った東芝をなんとかしようと、メモリ部門を分社化することを決議することが総会の目的であった。だが、経営悪化の原因であった米子会社ウエスチングハウス(WH)について、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法11条の適用を米連邦破産裁判所に申請したことが前日には発表されており、多くの時間はその説明に費やされた。

 アメリカの同時多発テロの発生や、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故によって、原発により安全性が求められることになり、そのことによって損失が生じたという説明は、経営陣としての責任が感じられないという株主たちの不満を鬱積させた。

 質疑応答の時間になると、いきなり株主からは「動議!」の叫びが上がる。

 その声は無視され、綱川議長は別の株主を指名した。原子力事業についての質問だ。成毛康雄副社長が答える。WH買収は失敗だったのかという質問に、「福島第1原発の事故などの影響が遠因で、買収は過ちではない」、今後の原子力事業はどうなるのかという質問には、「海外原子力事業のリスクを少なくして、国内の原子力事業で責任を果たしていく」というお決まりの答えだ。

 会場のあちこちから、叫びが聞こえる。綱川議長が言う。

「ご発言は議長の指名を受けてからにしてください。質問を希望される方は、うちわを上げてください。質問はお1人様につき1問2分以内でお願いします」

 株主からは「動議だよ。動議だって言ってんだろ!」という叫びが飛ぶ。

「ご静粛にお願いします」と綱川議長は言い、他の株主を指す。「福島第1原発事故に関して、東芝はなぜ、原子力災害対策特別措置法による損害賠償の請求をしないのか」という質問だ。畠澤守常務の答えは、「違反している当事者ではないので、回答は難しい」というものだった。

議事進行に対する動議

 その後も「動議!」の声が飛び、綱川議長はその株主を指名する。

「名門の東芝が破綻してるんだ。徹底的に株主の声を聞くべきで、1人1問2分なんてルールはやめにしてほしい」

 会場からは「そうだ!」「その通り!」というの声が上がる。

「だいたい、原子力をずっとやってきた(執行役の)志賀重範さんが健康上の理由で来られないなんて、話にならないじゃないか。昨年の株主総会ではWHとメモリが柱だって言ってたのに、いきなり7000億円の損失ってどういうことなんだ。粉飾以外の何物でもないじゃないか」

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