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タレントの契約トラブル多発と芸能事務所「優先」主義…音事協「統一契約書」の存在

文=山崎雅人/芸能ジャーナリスト
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 のん(元・能年玲奈)、清水富美加、堀北真希など、近年、タレントと芸能プロダクションの契約に関する問題が世間を騒がせている。

 芸能界で契約トラブルが多発する理由は、タレントと所属事務所が結んでいる不公平な雇用契約にある、というのが通説だ。そして、この雇用契約をめぐり、今大きな注目を集めているのが、芸能界で巨大な発言力を持つ日本音楽事業者協会(以下、音事協)の存在である。

「タレントの自由を制限する」芸能界独特の論理

 のんの独立トラブルが一段落すると、今度は清水の出家・引退騒動が勃発した。さらに、堀北は事務所の意向を押し切るかたちで引退宣言を行ったとされている。タレントと所属事務所の契約に関する問題が、相次いで表面化している。

 タレントと所属事務所の契約トラブルには、ケースごとにさまざまな要因があると思われるが、芸能界の事情に詳しい広告業界関係者のA氏は、「日本の芸能界は、一般社会の常識とかけ離れた独特の契約形態を採用しています。それが、芸能界で契約トラブルが相次ぐ一番大きな理由でしょう」と語る。

「清水の出家騒動では、清水側が『もうこれ以上、仕事ができない』と追い込まれ、即時の契約解除を求めましたが、旧所属事務所のレプロエンタテインメントは契約を盾に解除を拒否。清水とは『契約期間満了までだけでなく、事務所側が申し出れば1年間の延長が可能』という契約だったことが明らかになっています」(A氏)

 レプロでは、清水の前にものんの独立トラブルが起きているが、こちらもいまだ決着はついておらず、代理人による話し合いが続いている状態だ。さらに、さかのぼれば、鈴木亜美やセイン・カミュなど、タレントが所属事務所からの独立や移籍を画策した結果、その後「干される」状態になり、芸能界から一時的に姿を消してしまったケースも少なくない。

「タレント活動には、スポンサー企業、テレビなどのメディア、広告代理店など多くの関係者が携わっており、スキャンダルを起こしたり、いきなり独立や移籍をされたりすると、契約に反するということで違約金が発生します。所属事務所は、スポンサーや広告代理店からの信頼を失うことにもなります。

 そうしたリスクを避けるという名目によって、芸能界では『タレントの自由をある程度制限するのは仕方ない』という論理がまかり通っているのです。そして、この論理を明文化したものが、いわゆる『統一契約書』です」(同)

芸能人を縛る「統一契約書」の正体とは

 統一契約書とは、どのようなものなのか。堀北が引退を発表した今年3月1日、NHKの『クローズアップ現代+』が「芸能人が事務所をやめるとき~“契約解除”トラブルの背景を追う~」という内容を放送して話題となった。

 番組タイトルでもわかるように、内容は統一契約書の存在を明らかにするとともに、その内容に踏み込んだものだ。そもそも、『クロ現+』によれば、所属事務所側はタレントを雇用しているのではなく、「スケジュールや著作権などを一元的に管理しているだけ」との認識だという。

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