暴行で逮捕の世耕大臣秘書、永田町での悪評…蓮舫議員の元秘書、痴漢容疑で事情聴取
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
2月18日、平昌オリンピックでスピードスケート女子500mの小平奈緒選手が金メダルを獲得し感動に包まれているなかで、秘書仲間の残念なニュースが飛び込んできました。
世耕弘成経済産業大臣の政策担当秘書・川村太祐容疑者がタクシー運転手の男性を殴ったとして、警視庁中野署に暴行で現行犯逮捕されていたことが明らかになったのです。よほど暴れてしまったのでしょうか。知人の名前に“容疑者”がついて報道されると、とても不思議な気がします。
川村秘書は、神澤的には「気のいいおじさま」でしたが、一方では「横柄」との評もあり、ボスである世耕議員の威光を笠に着て偉そうにしていたのかもしれません。ただ、「暴力をふるう人」という印象はまったくなかったので、驚きました。世耕議員は長らく政府の要職についているので、議員会館での政策秘書としての業務も、そう忙しくはなかったと思います。
しかし、横柄と暴力は違います。事件が起きたのは夜中の2時過ぎで相当酔っていたそうですが、「お酒に飲まれてしまうと怖いな」と思いました。
タクシー運転手への暴力といえば、昨年11月には札幌弁護士会所属の杉山央弁護士がタクシー運転手への暴行で書類送検されました。その後、車内の映像が公開され、そのひどさに驚いた人も多いと思います。逮捕されて有罪となれば弁護士資格を失うところでしたが、結局は略式起訴による罰金30万円で終わり、今も弁護士資格を保持しています。
蓮舫議員の元秘書も痴漢容疑で退職していた
川村秘書の件もそうですが、永田町の住人が事故や事件を起こすとメディアが喜ぶので、通常よりも話がややこしくなることがあります。特に、今回は閣僚を歴任している大物議員の秘書ですから、メディア的には“おいしい”事件でしょう。
もちろん、秘書も気をつけないといけません。加害者ではなく被害者の立場であっても、ことさらに「オレは○○議員の秘書だ」などと強調したりすると、後に記者クラブでの雑談などで話題になってしまいます。
だいぶ前ですが、行政刷新大臣時代の蓮舫議員の元公設秘書の“事件”がいい例でしょう。2010年6月、深夜に路上で10代女性に自転車で近づき、追い抜きざまにスカートをめくってお尻をさわったとして、痴漢容疑で任意同行となりました。
女性は被害届を出さなかったため、その秘書は近くの交番で事情聴取を受けただけで終わったのですが、このときに名刺を置いて帰ったそうです。後になって、記者クラブで「最近、おもしろいことないね」となったとき、「そういえば……」と話題に上がって報道されてしまったのです。つまり、この秘書は自分から事件にしてしまったようなものです。後に秘書の職を辞していますが、当然でしょう。
これは極端な例ですが、秘書たるものボスである議員への影響を配慮して、名刺は極力出さないのが基本であり、自ら身分を明かすなんてもってのほかです。
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。