「神授業、見放題。」のキャッチコピーで知られる「スタディサプリ」。主に小学生から大学受験生までが利用する、オンライン学習サービスだ。一方で、実は学生だけではなく社会人の英語学習でも高い成果を挙げている。そして今、オンラインでありながらコーチングを導入したことでも注目されている。
今や、企業や組織では対話によって自己実現や目標達成を図るコーチングの技術が幅広く活用されている。「スタディサプリ」を運営するリクルートマーケティングパートナーズを含めたリクルートグループにおいても、コーチングは文化として浸透し社員の成長を促進しているという。
「スタディサプリ」では、三日坊主になりがちなオンライン学習をコーチによるきめ細かいアドバイスや指導で支え、大学受験合格やTOEICのスコアアップにつなげている。
なぜ、オンライン学習でのコーチングが成功しているのか。「スタディサプリ大学受験講座 合格特訓コース」を担当する田久保健太氏と「スタディサプリ ENGLISH」を担当する五月女良平氏に話を聞いた。
コーチングで「三日坊主」脱却へ
――「スタディサプリ」の「大学受験講座」と「ENGLISH」の概要について、教えてください。
田久保健太氏(以下、田久保) 月額980円でオンラインで小学校4年から大学受験までの動画見放題のベーシックコースに、追加で志望校合格までの学習プランとオンラインコーチングがセットになったサービスです。やはり、動画授業を見ても、自分自身で学習するモチベーションがなければ続きません。そこで、現役大学生がチャットでサポートしてコーチングを行います。
五月女良平氏(以下、五月女) 英語学習の「スタディサプリENGLISH」では、日常英会話やTOEICをスマホやパソコンで学習できます。3月からは、オンラインのTOEIC学習でコーチが伴走する「パーソナルコーチプラン」の提供を開始しました。これも、オンラインで担当コーチが徹底的に伴走するというものです。
ユーザーは30~40代が多いです。英語学習に限りませんが、三日坊主に終わってしまうケースが少なくありません。そこで、TOEICのハイスコアを持つコーチが一人ひとりの課題を特定し、設定したゴールに向けて効果的な学習プランニングを行います。また、日々の学習を「音声通話」「チャット機能」などを通じて徹底的にサポートします。
――なぜ今、コーチング機能を導入したのでしょうか。
田久保 学習に限らずオンラインで完結するサービスが増えてきましたが、課題やモチベーションは人それぞれ。コーチングで行動促進を図る施策は有効だと考えます。学習のように期限と目標があるものであれば、期限内の目標達成に寄与します。
五月女 ひとりで行う通信教育では、教材だけがたまってしまいまったく進まない。それは、私自身も経験があります。そこでコーチが伴走することにより、学習継続の効果が得られます。英語であれば、週1時間の英会話教室に通うだけでは英語力は伸びにくい。やはり、自分から学ぶ姿勢と時間が必要であり、そこにコーチが介在することで英語力の伸びにつながるでしょう。