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牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

働き方改革が不動産会社を滅ぼす?都心の巨大なビルもタワマンも「無用の長物」に?

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「Gettyimages」より

 働き方改革法案が国会を通過した。厚生労働省によれば、我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働き方のニーズの多様化」などの状況に直面しているなか、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが重要な課題だとしている。

 このスローガン自体には特に問題はないはずだったのだが、具体策のなかでの裁量労働制の採用や時間外賃金の削減、長時間労働の是正などをめぐって、国会での説明データの誤りなどが発覚し、野党やメディアにつつきまわされ、なんとか法案成立に持ち込んだというのが実態だ。

 この法案の中身とは別に、今不動産業界ではこの働き方改革に「戦々恐々」としているようだ。大手不動産会社の一角が「働き方改革」に逆行する対象として糾弾されたから「こんどはウチかも」といったような話ではない。「働き方改革」がどんどん進行していくと、不動産業界の勢力図が様変わりするのではないかという恐怖なのだ。

なんとも豪華なコワーキング施設


 最近都心部に続々竣工する新しいオフィスビルは、どれも航空母艦のような威容を誇る。今のところテナントの入居は順調のようだが、実は新しいビルを見学すると、内部にコワーキング施設を設けているビルが増えてきていることに気づく。

 コワーキング施設と聞くと、多くの人はいろいろな会社が会議室や受付機能などを共用して働くシェアオフィスを思い浮かべるのではないだろうか。シェアオフィスを利用するのはスタートアップしたばかりの企業が主体だ。起業はとにかく金がかかる。これまでは1人や2人で起業すると、普通のオフィスは借りられず、マンションの部屋などを借りてオフィスとして使用するのが関の山だったが、このシェアオフィスを利用すれば何かと便利。しかも他の起業家とも情報交換ができビジネスにも役に立つというものだった。

 ところが、最新鋭ビルに設置されるコワーキング施設は、これまでのシェアオフィスとはまったく様相が異なる施設だ。まず、オフィス家具やオフィス機器などが豪華すぎるのだ。そして利用料もめちゃくちゃ高い。広々したロビーや高価な家具が置かれた打ち合わせスペースはもとより、フリードリンクを飲みながらメールをチェックする、ちょっとした資料作成を行うような利用者の姿が目に付く。

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