成人年齢18歳へ引き下げ、親が子に伝えるべき「お金のトラブルに関する3つの注意点」
6月に成立した民法改正によって、2022年4月から成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げられる。前編では、主に18歳から親の同意なしに単独で契約が可能となった場合、どのようなトラブルが生じるかについて説明したが、後編では主にその対策を考えてみたいと思う。
若年者の消費者被害救済のため「消費者契約法」も改正
まず国としては、これらの問題に対して法律改正等で施策を講じている。民法改正と同じ頃、18年6月8日に悪質商法による若年者の消費者被害救済を主な目的とした「消費者契約法」の改正案が、参院本会議で採決され、可決した。施行は来年6月15日となる。
消費者契約法は消費者を不当な契約から守るための法律で、2001年4月に施行された。この法律は、たとえば将来値上がりが確実ではない金融商品を「絶対に値上がりします」などと事実と異なる説明をするなど、不当な勧誘による契約の取り消しと不当な契約条項の無効等を規定している。
今回の改正では、取り消しうる不当な勧誘行為と無効となる不当な契約条項が追加され、事業者の努力義務も明記された。若年者だけが対象というわけではないが、今回の成人年齢の引き下げに対応するかたちで、就活中の学生の不安を煽った就職セミナーや、恋愛感情につけこんで高額商品を買わせる「デート商法」などの契約を取り消すことができる。
消費者トラブルに巻き込まれないための3つのポイント
「法律で守られているなら一安心」と油断することなかれ。法律を整備したところで、悪質業者は法の網の目をかいくぐり、次から次へと新しい手を生み出してくる。まさに、いたちごっこなのだ。社会生活上の知識や経験が乏しい若年者は、合理的な判断ができない状況になれば、あっと言う間に消費者トラブルに陥ってしまう。
そこで、若年者が消費者トラブルに巻き込まれないために、親が子どもに伝えておくべき3つのことを挙げてみよう。
(1)自分は大丈夫!と過信しない。誰でも騙される可能性はある!
消費者トラブルに対して「自分は大丈夫」と思わないこと。逆に、そのような人ほど騙されやすいかもしれない。消費者トラブルというと、若年者や高齢者が多いと思われがちだが、事業者の手口は巧妙化しており、どの年代であっても人の弱みに付け込む点は同じ。以下の「だまされ度チェック」を利用して、親子でお互いの性質を客観視してみよう。
ここに挙げられた項目に当てはまる数が多いほど、騙される可能性が高いという。各項目をみてみると、だれでも何かしら当てはまりそうな気がする。