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小泉進次郎、総裁選で露呈した「過剰な自信」…投票直前で石破支持表明の「姑息な計算」

文=編集部
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小泉進次郎、総裁選で露呈した「過剰な自信」…投票直前で石破支持表明の「姑息な計算」の画像1小泉進次郎氏の公式サイトより

 9月20日に投開票が行われた自民党総裁選での最大の注目点は、小泉進次郎筆頭副幹事長の動向だった。6年前の2012年の総裁選で石破茂氏に投票したことから、今回も同様の決断をするだろうと予想され、告示前には安倍晋三首相の陣営から「石破氏の推薦人になるのではないか」「街頭演説で一緒に立つのではないか」などと警戒する声も出ていたが、告示後も語らずじまい。結局、投票日当日、それも直前に石破氏に投票する旨を明らかにした。

 当初から安倍首相の3選が固かった。そんななかで、石破氏に投票するだろうとみられていた小泉氏の表明は、投票動向に影響を与える唯一の波乱要因であり、世間の期待が高かった。それをわかっていながら、ギリギリまで表明を遅らせたのは、なぜなのか。開票結果が出た後、報道陣に囲まれた小泉氏は、こう説明している。

「私が表明しなかったからこそ、2人の違いや論争に注目が集まった」
「テレビカメラがネクストバッターズサークル(=小泉氏)を映しているのはおかしい」

 ギリギリの表明は、自身が注目されていること、影響力が大きいことを考慮したうえでの判断だとしたのである。これには、萩生田光一幹事長代行がさっそく「自信を持っているのがすごい」と皮肉るなど、党内からやっかみも出ている。実際のところ、小泉氏の本音はどこにあるのか。

優等生的に着実な成長

 永田町からはさまざまな憶測が聞こえてくる。

 まず、「菅官房長官に対し、気を遣ったのでは」という見方。同じ神奈川県選出の菅長官は7月下旬の講演会で、将来の総裁候補として河野太郎外相と小泉氏の2人を挙げている。菅長官の顔を立てて表明を遅らせたのではないか、というのだ。それは結果的に、安倍首相に恩を売ることになり、安倍首相への配慮ともいえる。

「2020東京五輪後を見据える小泉氏だが、それまでにそれなりのポストで修業を積みたがっている」という見方もある。つまり、入閣を望んでいるという見方だ。

 一方で、こんな声もある。

「自分に世論の期待や注目が集まり過ぎることを懸念している。一度、そうした期待を裏切ることで、自らへの過度な注目を払拭したがっている」

「五輪後の2021年以降の決起に向け、一歩一歩階段を上っているだけ。総裁選において、自らの存在感を見せるという計算はしつつも、常に自分の立場や範囲を超えないようにしている」

 自民党という巨大政党のなかで、優等生的に着実な成長を目指すということらしい。「存在感」という意味では、表明は投票直前であり、投票後ではない。早過ぎもせず、遅過ぎもしないところが要諦である。

 記者に囲まれ総裁選を振り返って、こうも語っていた。

「いろんな情報戦があった。政治の世界の戦。わたしは武器を持たない戦争みたいなものだと思う。それに対して、どうやって生き抜いていけるようにするか、そういったことも含めて非常に学びのある総裁選だった」

 いかにも優等生的、ではある。

 37歳なので若手ではあるが、衆議院議員としての当選回数はすでに4回を重ねた。いつまでイメージだけで引っ張って行けるのか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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