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多賀秀行「旅行しよう。」

「今こそ」キューバに旅行すべき理由…「世界一魅力が詰まった国」が変わる前に

文=多賀秀行/フリー編集者、宿「ANCHOR SITE」オーナー
「今こそ」キューバに旅行すべき理由…「世界一魅力が詰まった国」が変わる前にの画像1キューバ・ハバナ市(「Gettyimages」より)

カリブ海の真珠と呼ばれる国

 大航海時代を代表する探検家、クリストファー・コロンブスが「地上で一番美しい島」と讃えた島国がある。

 陽気なリズムのサルサミュージック、ラム酒「ハバナ・クラブ」、小説『老人と海』や『誰がために鐘はなる』などで知られる文豪ヘミングウェイが過ごした地、革命家エルネスト・チェ・ゲバラが革命を成し遂げた地、世界で最も有名な葉巻大国、数々のメージャーリーガーを輩出――など、多くの魅力が詰まっている国。それが、マイアミの南に浮かぶ、「カリブ海の真珠」と謳われるキューバだ。

 首都ハバナはその北西部に位置する。16世紀に築かれ、世界遺産に登録されている旧市街と、つくられた時代は異なるものの、今も現役で走るアメリカ製のクラシックカーのコラボレーションは、ここでしか見られない特有の景観だ。まるでタイムスリップしたかのような錯覚を抱くことだろう。そして、エメラルドグリーンに染まったカリブ海を堪能できるバラデロビーチなど、街も海も、そして歴史も楽しむことができる国だ。

「キューバの雪解け」から再び冬の時代へ

 2015年、そんなキューバが世界中のメディアを賑わした。1961年から実に半世紀以上、54年もの時を経てアメリカと断絶されていた国交が回復したのだ。まさに歴史に残る大きな出来事だった。それにより、多くの規制が残るものの、アメリカの航空会社は空を飛び、クルーズ会社はキューバへと舵を取るようになった。加えてホテルも進出を果たした。

 多くの国々が国交の回復を歓迎したものの、2017年に事態は急変する。第45代米国大統領へのドナルド・トランプ氏の就任だ。国交は維持するものの、アメリカ人の観光目的によるキューバへの渡航禁止や商取引の規制など、バラク・オバマ前大統領が築いてきた一連のキューバ政策は、再び後退の道をたどることになった。国交回復は「キューバの雪解け」と呼ばれるものだったが、再び冷たい冬の時代が続くようになってしまったのだ。

「今」こそキューバへ

 今後のアメリカ、キューバの関係がどうなるかは、まだわからない。ただ関係改善を、多くの人々が待ち望んでいることは間違いないだろう。しかし、実際にそのような未来が訪れるとするならば、アメリカから旅行者だけでなく、我先にと多くの会社も進出することになる。その影響によって、大きくキューバは変化していくだろう。

 それは歴史ある街並みが多少なりとも変わることかもしれないし、クラシックカーだってその多くが現行車へと変わるかもしれない。個人的には、既視感のある観光地になることは避けてほしいという思いもあるが、キューバで生きる人々が求めるのであれば、その変化は悪いことではない。その積み重ねが歴史であり、人々の営みの証なのだから。

 だからこそというべきだろう。いつか変わるであろうキューバの風景が築かれる前に、「今」のキューバを訪れみてほしい。歴史に触れ、街を歩き、カリブ海を泳ぐ。アメリカや日本とは異なる、「社会主義」を貫いてきた国を存分に体験することは、きっと人生において貴重な経験となる。
(文=多賀秀行/フリー編集者、宿「ANCHOR SITE」オーナー) 

多賀秀行/フリー編集者

多賀秀行/フリー編集者

1981年生まれ。東京都出身。一日一組限定の宿「ANCHOR SITE」を営みながら、海外旅行をメインとしたフリーランスの編集者として活動している。
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Twitter:@tagahideyuki

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