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パチンコ業界にとってカジノ解禁は脅威どころか共存共栄の大チャンスか

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東京都内のカジノスクールの様子(写真:ロイター/アフロ)
 2018年に入り、パチンコ・パチスロ業界の周辺が騒がしくなっている。2月に出玉規制を含む新規則が施行され、7月には統合型リゾート(IR)実施法が成立したからだ。


 10年前に比べて、17年の業界の売り上げ(貸玉料)は約32%減の約19兆5400億円、ユーザー人口は約40%減の約900万人と、市場規模の縮小に歯止めがかからない状態である(「レジャー白書2018」より)。

 そんななかでIR実施法が成立したことで、「2020年の開業を目指すカジノが、パチンコ・パチスロ業界にとどめを刺すのではないか」という声も多いが、実際はどうなのだろうか。東京都内の大規模チェーンで店長を務めるA氏に話を聞いた。

「それはないと思いますよ。そもそも、ユーザー層がほとんどかぶっていないから。パチンコは庶民の娯楽で、カジノは富裕層のギャンブル。カジノにユーザーが流れることでパチンコ業界が潰れるなんてことはあり得ない」(A氏)

 カジノ解禁の影響について、A氏は一笑に付した。パチンコ・パチスロのユーザーは高齢化が進み、若年層の新規参加が少ない。そうしたなかで、今では「1円パチンコ」などの低貸玉営業に参画する業者が全体の4分の1を超え、その比率は年々高まっている。射幸性を抑える目的の出玉規制によって、「ミドルリスク・ミドルリターンの遊技機」を楽しむユーザーがメインになりつつあるのだ。

「入場料として6000円も取られる、1カ月に10回しか行けない……そんなところ(カジノ)に、今のマイルドなスペックや1パチ(1円パチンコ)、5スロ(5円スロット)に慣れ親しんだ人たちが通うなんて考えられませんよ。出玉規制でパチンコ・パチスロから離れていったユーザーが『俺が求めていたのはこれだ』とカジノに通い出すことはあり得ると思いますけどね」(A氏)

カジノ解禁は逆にチャンス?


 度重なる出玉規制によって、「今度こそ業界は終わりだ」「誰も打たなくなる」などと言われつつ、いまだレジャー産業のなかでは突出した規模を誇るパチンコ・パチスロ業界。もちろん、縮小傾向にあるのは明らかだが、決して手をこまぬいているわけではない。

「むしろ、『カジノは業界にとって大きなチャンス』だと考えている人が多いはずですよ。サミーやユニバーサル、ベガスベガスのように海外でカジノ施設を運営する企業もあるし、もともとパチンコ・パチスロとカジノは親和性が高いので、今後も多くの企業が参入するはずです」(同)

「北斗の拳シリーズ」で知られるサミーは17年4月、韓国の仁川にIR施設「パラダイスシティ」を開業した。12年に完全子会社化した宮崎県の「フェニックス・シーガイア・リゾート」は、日本初のIR施設の候補地と目されている。

 パチスロ機開発の大手であるユニバーサルは16年12月、フィリピンにカジノ・エンターテインメントリゾート「OKADA MANILA」をオープンさせている。 同名のパチンコホールを運営するベガスベガスも、17年12月にベトナムに「ハリウッドワン ゲーミングクラブ ハロンベイ」を開業した。

 また、17年12月には、パチンコメーカーの平和が北海道北広島市にIR開発の提案を行って話題になった。そのほかにも、コナミやサミーをはじめとする多くのメーカーが海外でゲーミングライセンスを取得しており、実機の開発・投入準備を進めている。

「カジノの開業に際してホール側ができることは限られていますが、パチンコ・パチスロ業界全体としては、現状を打破する大きなチャンスといっていいでしょう。お上も、この業界を本気で潰すようなことはしないと思いますよ」(同)

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