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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

口利き疑惑の片山さつき大臣に囁かれるパワハラ問題…秘書が働きたくない事務所トップ3入り

文=神澤志万/国会議員秘書
口利き疑惑の片山さつき大臣に囁かれるパワハラ問題…秘書が働きたくない事務所トップ3入りの画像1片山さつき内閣府特命担当大臣(写真:毎日新聞社/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 第4次安倍改造内閣はいろいろな意味で話題になりそうだということは以前にも書かせていただきましたが、期待通りというか、片山さつき内閣府特命担当大臣の口利き問題が「週刊文春」(文藝春秋)によって報じられました。

 永田町の一部の議員事務所には、発売前のいわゆる“早刷り”がファクスで出回ります。最近は、PDF化されたものがメールに添付されたりLINEで転送されたりしてくるようになりました。

 今週まわってきた記事には「片山さつき大臣 国税口利きで百万円」とありました。「証拠文書入手!」「あっせん利得処罰法違反の疑い」という見出しも躍っています。タイトルだけを見るとセンセーショナルですが、永田町ではあまり大きな話題にはなっていません。

 記事では、企業経営者のXさんが、2015年に青色申告の承認が取り消されそうになったときに「当時、片山議員の私設秘書だったNさん」を通じて、片山議員に相談したことを明かしています。Nさんは税理士でもあり、XさんはこのNさんから直接「大丈夫」と言われ、指定口座に100万円を振り込んだそうです。しかし、結局は青色申告の承認は取り消されてしまいました。

 Xさんは、「Nさんではなく、片山先生が国税当局に働きかけてくれると認識」「片山先生にお願いしたと認識」して100万円を振り込んだものの、青色申告の承認が取り消されたことでNさんを追及したそうですが、連絡が取れなくなってしまったようです。

「文春」の取材に対して、片山事務所は「そのような事実はありません」「(Nさんはすでに)退職しています」などと相変わらずのツンツンぶりです。「文春」が発売された10月18日には、片山大臣が記者会見を開いて「口利きをしたことは一切ございません。100万円を受け取ったこともございません」と反論しました。さらに、名誉毀損で訴える準備をしているようですが、いったい真相はどうなっているのでしょうか。

片山大臣の口利き疑惑は甘利事件と同じ?

「文春」はこの問題に6ページも割いていますが、いろいろなことを盛り込み過ぎで読みにくいという印象を持ちました。

 実際はとてもシンプルな問題で、片山大臣があっせん利得処罰法で処罰されるかどうかに絞ってほしかったのですが、安倍政権の危機を煽ったり前夫の舛添要一氏の話を持ち出したりしていて、ゴチャゴチャの構成でした。それだけに、焦点がぼやけてしまった感があります。

 そもそも、国会議員というのは裏口入学から交通事故のもみ消しまで、実にさまざまな依頼を受けます。そのため、口利きをした見返りに報酬を受け取ることを禁止するあっせん利得処罰法が2001年に施行されました。しかしながら、この手の話は後を絶ちません。

 たとえば16年には、千葉県の建設会社と都市再生機構(UR)の補償交渉を口利きして報酬を受け取ったとして、甘利明経済再生担当大臣(当時)と秘書が同法違反の容疑に問われましたが、結局は不起訴でした。

 同法の適用例として、あれほどわかりやすい事件もなかったと思うのですが、ほとぼりが冷めれば明らかな犯罪行為もなかったことにされてしまうのが、永田町の謎のひとつです。今や、甘利議員は自民党の選挙対策委員長という要職に就いているのですから。

 記事では、甘利議員の件と今回の片山大臣の件が似ているとも指摘していますが、秘書の視点で解説すると同じではないですね。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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