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慈恵医大の闇を関係者が内部告発(後編)…製薬会社との癒着、不透明な人事と金、病院を見放す患者たち

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「理事長独裁体制の下、深い闇を抱える」(内部関係者)とされる慈恵医大
※前編はこちら

 患者離れが加速し、医療収入が伸びない東京慈恵会医科大学附属病院(慈恵医大病院)。対して、今回、内部の腐敗ぶりを告白してきた同大学職員は厳しい口調で、理事長の責任を追及する。

「栗原理事長は周りをイエスマンで固め、以前は代議士など多くのVIPが通院していた、慈恵医大病院の面影はまったくなく、赤字が続いている。そのような中、理事長である栗原氏は、ほぼ実態のわからない新しい参与などのポストを多く作り、着実に大学を私物化している。自身の息のかかった者を理事で固めて、規則を勝手に操っている。本来、こういった動きを止める教授会ですら無力化が進んでいる。長老の教授は新規ポストで手なずけ、新任教授選にも自ら指示を出す始末。これでは誰ひとり意見が言えないのも当然です。

 慈恵医大では以前にも子会社の慈恵実業と理事会との癒着が指摘されていましたが、高木専務理事亡きいま、財務と情報システムを握る谷口理事が暗躍していると噂されています。この理事や学長、理事長に逆らうものは、子飼いの某教授の指示で分院に追いやられているのが現状です。皮肉なことに慈恵医大ではこの分院の大きな収益力が本院の赤字を埋めている。しかし、理事長はどこ吹く風で、新病棟建設計画では、さらに新規ポストを餌にイエスマンで固めており、赤字を垂れ流しながら、着実に王国を作り上げています。

 15年におよぶ栗原長期政権の中、ノバルティス社の薬の効果を調べる論文のデータ改ざんで日本の臨床研究の信頼を貶めたノバルティス事件では、参加した5つの大学のうち、慈恵医大の臨床研究『慈恵ハートスタディ』が最も悪質といわれました。結局、血圧値のデータ操作を誰が行ったのかも解明されなかった。大学側の記者会見では、薬の効果を際立たせる悪質な操作の痕跡は見つからなかったと発表し、『慈恵は巧みに欺いた』と囁かれました。栗原理事長は自らがノバルティスからご褒美の海外旅行に招待された事実すらも隠蔽し、ノバルティスや元教授に責任を押しつけて逃げたのです」

慈恵は三菱グループにとっての「金のなる木」?

(株)慈恵実業というのは、学校法人慈恵大学の全額出資により1975年9月に設立され、大学および病院内で売店経営、人材派遣、各種備品販売、医療機器販売とおよそありとあらゆる業務を請け負う完全子会社だ。代表取締役社長は三菱UFJ銀行出身の石塚雄三氏(70)、代表取締役副社長が昨年亡くなった高木敬三専務理事である。慈恵医大と三菱の関係は、高木兼寛と並ぶもう一人の創立者である松山棟庵の4女が、岩崎弥太郎の3男に嫁ぎ、岩崎家と姻戚関係が結ばれたためだ。職員の給与振込口座も三菱UFJ銀行、メインバンクも三菱、本院再開発の融資先も三菱である。

「石塚氏は銀行時代の仲間を次々と呼び込み私物化を図ってきた。銀行時代に学校法人帝京大学の担当として、理事長・学長が私腹を肥やす手法を体得し、それをいま学校法人慈恵大学で実践しているのです。傍若無人振りは留まることを知りません。最大の課題は、2020年の竣工を予定する慈恵医大病院本院の建て替えに400億円は下らない額が費やされること。栗原理事長はこうした金目の話を石塚氏らに全面的に委ねており、執行部としてシビアにチェックしていないため、同氏の食い物にされかねません。

 この名門病院はもはや三菱グループにとって『金のなる木』と化しています。石塚氏の給与は3000万円、退職金は億も下らないとも囁かれています。単なる銀行出身の子会社の役員が何の経営努力もせずに、これだけの給与を得ているのはなぜなのか。栗原理事長がこの闇を放置するのは、自身も毒饅頭を食らっているからというのが学内の多くの見方ですが、独裁者を前に何も言えないのが現状。ガバナンスは崩壊し大学に自浄能力がない以上、心ある慈恵人たちの奮起で信頼を回復するしかないのです」(前出の慈恵医科大学職員)

 慈恵医科大学広報課に取材すると、文書と口頭で以下の回答が寄せられた。

・「サンデー毎日」の記事について
「いろいろ事実とそうでないことが混在しているので、お答えは差し控えさせていただきます」

・理事長選任規定について
「理事長選任規定が廃止された事実はありません。規定の見直しも今回見直したのではなく、以前から見直されており、『サンデー毎日』の記事は事実を誤っています」

・理事長の選出について
「本学の理事長は学内ルールに則り民主的に選出されております」

 また、栗原理事長に話を聞くべく自宅を訪問したが、表向きに開示している住所は常に不在で、電話も留守電にしかならない状態が数日間続いた。

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