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曽和利光「人と、組織の可能性を信じる世界のために」

マネジメント能力の低いマネジャーでも組織がうまく回る方法

文=曽和利光/株式会社人材研究所代表

 もし、現時点でマネジメントスキルのない人にそのスキルを身につけてもらおうとするのであれば、そのまた上司やコーチなどがそばについて、日々指導やコーチングを行うしかないと思います。つまり、マネジメント能力そのものを向上させようと思えば、一定の長い時間がかかるということです。一朝一夕で効果が出ることでは恐らくありません。

マネジメント能力が低いなら、やりやすい相手と仕事をさせてあげる

 
 つまり、マネジメントの研修やトレーニングを今すぐ始めたとしても(それはそれでやらなくてはいけないと思います)即効性はないので、もしマネジメント力不足が例えば退職率を高めているなど喫緊の課題であるのであれば、人が変わるのを首を長くして待っていてはいけません。マネジメント力の低いマネジャーしかいないということを前提とした組織運営をしなければいけないということです。

 それはズバリ、「マネジメントしやすい環境=人間関係」を構築してあげるということです。マネジメントとは「なんとかして経営に貢献する行動をメンバーにしてもらう」ということですが、マネジャーとメンバーをパーソナリティの面でみて、相性の良い関係性に組み合わせてあげることで、「なんとか」しなくても、「ふつうに自然に自分らしく」振舞っているだけで、メンバーと意思疎通がスムーズに行き、良好な関係が築けるようにしてあげればよいのです。

「良い相性」とは

 人間関係は大きく3つに分けることができます。一つは似た者同士という「同質関係」。一つは異なったパーソナリティではあるが、お互いに補い合うような「異質補完関係」。そして、特に補完関係もなく、単純に異質であるだけの「異質無相関関係」です。

 もちろん、このなかで良い相性というのは、最後以外の「同質」もしくは「異質補完」です。「同質」はご理解いただけると思いますが、「補完」だけ簡単にご説明しますと、例えば「目標達成意欲の強い信念を持ったマネジャー」に「指示に従順な受容性の高いメンバー」がつけばうまくいくというような関係です。受容的なメンバーは意志の強いリーダーとは補完的です。一方、「目標達成意欲の強い信念を持ったマネジャー」に「知的好奇心が強く目先がいろいろ変わることを好むメンバー」がつけば、おそらくハレーションが起こるでしょう。好奇心の強い拡散的なメンバーは、意志の強いリーダーを「頑固」だとか「柔軟性がない」とか思い、あまり良い関係にはならない可能性が高いことでしょう。

曽和利光/人材研究所代表

曽和利光/人材研究所代表

京都大学教育学部教育心理学科卒。新卒でリクルートに入社、2009年まで人事や人事コンサルティングを行う。人事GMとして、最終面接や人事担当者トレーニングなども担当。その後、ライフネット生命などのベンチャー企業の人事責任者を経て、現職。現在は、日系大手から外資、ベンチャー、中小企業様に至るまで、様々な会社の、人事や採用に関するコンサルティング、トレーニング、アウトソーシングの事業を推進中。
日本採用力検定協会理事/日本ビジネス心理学会理事/情報経営イノベーション専門職大学客員教授
株式会社人材研究所

Twitter:@toshimitsu_sowa

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